大阪府北部地震を契機にブロック塀の危険性が改めて顕在化する中、京都府長岡京市は民有地に立つブロック塀の撤去費用を補助する制度を新設する。市内では、建築基準法に基づく安全基準を満たさない塀が通学路上だけで634カ所に達し、市民から撤去に関する相談が相次いで寄せられていた。
9月定例市議会に提出する本年度一般会計補正予算案に1500万円を盛り込み、可決されれば10月に受け付けを始める計画。2020年3月末までを予定する。
台風20号が近畿地方を通過した23日夜、同市友岡1丁目では、民家のブロック塀が倒れた。高さ約1・2メートル・幅約4メートルで、そばに止めていたバイクが下敷きになった。家人の女性(18)によると、借家で築40年ほど。塀が事前にぐらつくことはなかったという。「ドーンというすごい音がした。人を巻き込まなくてよかった。6月の地震でも大丈夫だったので、安心しきっていた」と話していた。
新制度では、15万円を上限に撤去費用全額を補助する。市は今後、安全点検のチェックリストを作成。現行の安全基準を満たしていない状態だったり、既に傾きやひび割れが生じていたりする物件の中で、高さが80センチ以上▽道路や公園、学校や保育施設に面する-などの条件を満たすブロック塀を補助対象とする。れんが造りや石造りなどの塀も含まれる。
ブロック塀に関して同市にはこれまで、生け垣へ付け替えた場合に適用される補助制度はあったが、撤去のみや、フェンスへの付け替えに対する支援策はなかった。
末永靖弘・市建設交通部長は「市民の要請が大きいと判断した。塀は個人財産といえども、公に影響を及ぼす恐れがある。危険を取り除くため、市として対策を行う必要がある」とした。
【 2018年08月25日 09時30分 】
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