<ビキニ事件>船員追った番組DVDが注目 20日午後2時からは向日市民会館ホールで

2011-11-20 12:51:41 | 会 party
 東京電力福島第1原発の事故後、57年前に起きた核実験による「ビキニ事件」を追った南海放送(松山市)のドキュメンタリー番組「わしも死の海におった」が注目を集めている。被災したマグロ漁船員のその後をたどり、被ばくの実態に迫る内容。番組のDVDは事故後約900枚も売れ、全国で上映会が相次いでいる。南海放送ディレクターの伊東英朗さん(51)は「海が汚染されるなどの経過が福島の事故と重なる。今何をすべきか、学ぶべきことは多い」と話している。

 伊東さんは被災した高知県内の船員や遺族を訪ね、毎年内容を更新しながら放送を続けている。当時、第五福竜丸以外にも延べ約1000隻が実験のあった海域を航行していた。多くの船員ががんなどの病気に苦しみ、40~60代で亡くなっていった。水爆実験を目撃した船員は「ピカーンと(光が)きて、目を取られるかと思った」と証言する。

 番組は昨年5月の放送時に反響はほとんどなかったが、注文が相次いでいる。20日午後2時からは京都府向日市の市民会館ホールで上映会がある。伊東さんは「福島の事故の20年後や半世紀後に何が起こるか見えてくるものがある」と話す。

 DVDは約1時間。1500円(送料など込み)で販売中。問い合わせは高知県太平洋核実験被災支援センター(0880・66・1763)。南海放送のネットショップでも販売している。【須田桃子】

 【ことば】ビキニ事件

 1954年3~5月、米国が南太平洋のビキニ環礁などで計6回の水爆実験を実施。放射性物質を含む「死の灰」が広範囲で降り、大気や海水が汚染された。被ばくした第五福竜丸の乗組員が急性の放射線障害で死亡。その後も乗組員14人が肝臓がんなどで亡くなった。
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