向日市が17日発表した、市長改選後、最初の予算編成となる本年度補正予算案は、一般会計の補正後の総額が過去の年度当初予算と比較して最大の規模となった。また、今補正では子ども手当で3歳未満への月7000円の上積みがなくなった分を減額したことで、補正額は6億6900万円から実質でさらに1億円増に。「積極型」の予算とした久嶋務市長は「重点的な配分と効率的な執行に徹し公約実現に全力を注ぐ」と語った。
事業の内訳は新規が41、拡大4、継続18。最重点として、選挙の公約にも掲げた、都市基盤整備と防災強化に取り組む。
防災では、継続中の小中学校耐震化に加え、初めて保育所の耐震診断を第5保育所で行う。また、東日本大震災を教訓に現行の防災計画で主に避難や給水支援、情報伝達の体制の点検と見直しを実施。地域の自主防災組織や消防団、住民らで新たにつくる「地域防災市民会議(仮称)」や専門家による研究会を開催し、見直しに向け課題や方針を協議する。さらに、新たな防災設備として避難所でもある市民ふれあい広場に、裏返すとかまどになるベンチ「かまどベンチ」2基と太陽光式照明1基を設置する。
このほか、新保育所の建設用地取得に1億9200万円、小中学校へのエアコン設置に向けた実施設計費4000万円などを計上。新環境基本計画や景観計画の策定、中小企業支援・事業所誘致条例の制定に向けた費用や、独居高齢者への救急医療情報キットの配布などを予算化した。
財源は主に府支出金や財政調整基金の取り崩し、市債で賄うが、結果、市債残高は124億2000万円まで膨れる見込み。
【 2011年05月18日 11時11分 】