さるすべりといえば、あのつるつるした幹から、丈高く重たげに、風に花房の、揺れるものですが……。
震災の夏、地面から噴水のように、花の房がにょっきり。
運ばれた種子が自然に芽を出し、野草の状態。
それが、去年も咲いて、今年も。
しかし、今年は、暑すぎたせいか、元気がありません。
そりゃそうだ。
幹が育ってないのに、花を咲かせ続けてる。
子孫を残すのを、急いだのですね。
今年は、房にもなりません。
ただ、去年まで、腰の高さだったのが、目の高さになりました。
目立ちたがりに見えるかもですが、せめても丈をと、伸び上がる気持ちが、いじらしい。
がんばりたい気持ちに、幹が、風格が、追いつきますように。