道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

甲斐路ドライブ

2020年08月31日 | 旅・行楽
娘夫婦のぶどうの買い出しに老妻と共に参加した。参加というより誘ってもらったと言うべきだろう。コロナで家に籠っている両親を心配してのことかと思う

ぶどう狩りとかイチゴ狩りなど、女子どもに人気のある柔なレジャーには老生未だかつて参加したことがない。今回は多品種の枝に成っている、ちょうど今が食べ頃の好みの房を、直接摘んで購入するという娘の話に手もなく乗せられ、同行を願い出た。〇〇狩りの体験がある妻が、横で冷ややかに嗤っている。

新型コロナ禍で外に出られないこの半年、それまで毎日随意に外出していた私は、相当ストレスが溜まっていたに違いない。檻に容れられた野生動物の気持ちがよくわかる。

朝霧高原から樹海の中を抜けるドライブコースの景観に、日頃のストレスは吹き飛んだ。富士山の姿を懐かしくも有り難くも思って眺めた。今年は入山が禁じられたことも、崇高さのアップに寄与しているだろう。

西湖・河口湖と進み、トンネルを抜け峠を越えると、眼下に甲府盆地が見えてきた。スイッチバックの道を降り「ぶどうの丘」が視野に入ると間もなく、目的地のぶどう園に着いた。出発から5時間、山梨県は近くて遠い。

地勢が比較的単調な遠州と較べると、山国甲州は地形・地質が複雑で変化に富む。私は高校生の頃から、甲州に惹かれてきた。山岳で隔絶されていることが大きな理由だろう。屏風で隔てられると、屏風の裡を見たくなるのは人情だ。武田信玄という武将の存在も関心を惹く要因になっていた。



園内の様々な品種のぶどう棚を廻り、園の人から品種の説明を受け試食した。これはある意味厳しい味覚検査を受けているようなもので、ぶどうの味の微妙な違いを、明確に言葉で言い表せないもどかしさを痛感した。


密にならない園内ではマスクは不要、頗る快適だった。日頃の丹精の精華が、無数に垂れ下がっている。





緩斜面というのは、ぶどう畑の重要な要件なのだろう。水平面に慣れた平衡感覚が、僅かに惑うことがあった。日陰にいたのだから、熱中症ではないと思う。

帰路は天下茶屋を経て旧道を巡り河口湖に降りた。





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