道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

哀しい囀り

2017年07月10日 | 自然観察
ここ10日ほど、連日四十雀の鳴声に
意識が集中している。
思うに育雛時期までにメスを得られ
なかった若いオス鳥ではないか。朝早くから、5種類ほどの鳴声パターンを取り混ぜ、喉も裂けよとばかり高く啼くのだが、いっかなそれに応えるメスの声はない。
 

四十雀のペアは、すでに雛の巣立ちを終えていて、発情期でも無いこの季節では、オスに興味を示すメス鳥はいないはずだ。それでも、四十雀は朝、昼、晩、啼き続ける。同じ個体であることは間違いない。聴いていて哀しくなる程、美しい澄んだ声で囀る。

四十雀は一度に68個ほどの卵を産むらしいから、孵化の遅れが雛の体格差、採餌量の差を生み、雛の成育度には大きな開きが出ることだろう。その結果、巣立ち後の若鳥たちの生活行動には、かなりの違いがでるのではないだろうか。

成長のもっとも早い個体なのか、一年遅れで成鳥になった個体なのかは知る由もないが、とにかく本能に基づいてメスを求めていることだけは、鳴き方でわかる。親や仲間を求める声でないことは、疎いながらも推測できる。

気紛れなメス鳥が、このオス鳥の声に関心をもってくれないか、ひたすら祈る気持ちで毎日鳴声を聴いている。

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