道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

最良の日

2021年04月04日 | 随想
私の次男は目の前の川の対岸に住んでいる。直線で50m、橋を渡る道路距離にして100m足らずだろう。次男はよく我々の家に来る。同居の長男と話したり、私と酒を共に酌み交わすことも多い。

ところが、彼の一男一女の孫娘が、何故か我々夫婦に懐かなかった。寂しい思いをする両親を案じて、次男は私たちに娘を懐かせようと心を砕き、様々な融和策を講じてくれていたが、彼女は保育園を卒園する今春まで、頑として懐かなかった。私はそれをさほど苦にしていなかったが、孫たちの中で最年少の彼女に愛情を注ぐ妻は穏やかでなかったと思う。

それでいて孫娘は、妻から折り紙を教えられると、今では兄や従兄弟たちを凌ぐほど巧みに折り、筋が良いと目されている。

その孫娘が、日曜日の今日、次男と共に家に来た。急にリモートワークの仕事が入った次男は、従兄弟たちと遊ぶ娘を置いて急遽自宅に帰って行った。遊び飽きたら私が送って行く。

孫娘を送るとき、道路を渡る際に手を繋いだ。道向こうについたら、孫が手を離した。其処からは橋への傾斜道になる。孫娘が手を伸ばし、自ら私と手を繋いでくれた。彼女が生まれて初めてのことだった。私は嬉しかった。果報は待つに限る・・・

橋を渡り、迎えに来た孫息子と3人で、スキップをしながら次男宅まで送った。

今日は、最良の日だった。



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