大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

アメリカでエネルギー関連企業のデフォルト、倒産が増加

2016年05月03日 | 日記

 アメリカでエネルギー関連企業のデフォルト、倒産が増えている

 先週末には、ハイイールド債(低格付け企業の発行する債券)を発行しているUltra PetroleumとMidstates Petroleum Companyが破産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請。WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)によれば、2社合わせた負債額は58億ドル(6400億円:1ドル=110円で計算)に上る。

 またFT(フィナンシャル・タイムズ)は、格付け会社Fitchの情報として、エネルギー関連のハイイールド債のデフォルト率が1年前の2%以下から13%に上昇していること、さらにそれが今年末には20%に上昇することが予想されていると伝えている。

 同紙はまた、Standard & Poorの情報として、アメリカのハイイールド債全体のデフォルト率が4月に3.9%に上昇し、2010年9月以来の高さになったと伝えている(注1)。

 その一方で、石油価格は上昇が続いており、アメリカのメディアは、超高利回りとなった(超低価格となった)ハイイールド債を買う動きも一部でみられると伝えている。

 ハイイールド債はアメリカ経済を大きく左右する問題なので、雇用やFEDの動向とともに引き続き注意して見ていきたい。

(注1)2016年5月12日のFTによれば、Standard & Poorは2017年3月にはデフォルト率が5.3%(もっとも高い予想で7%)まで上昇すると予想している。  2016年5月15日追記

★ 上記の内容については吟味しているつもりですが、引用元の誤りを含め、記述内容、数値に誤りがないことを保証するものではありません。