大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

アメリカ中間選挙、大方の予想は民主党が下院で過半数

2018年11月02日 | 日記

 2018年11月6日(火)、アメリカで中間選挙がおこなわれる。

 以前に書いたように上院では共和党が過半数を維持する見込みが強まっているが(議席増もありうる)、下院では民主党が過半数を奪取するという予想が多い。

 アメリカの下院議員数は435人(過半数は218)。日本の衆議院(任期4年)とことなり解散はないが、2年ごとに全議席が改選される仕組みになっている。

 世論調査のまとめサイトであるリアルクリアーポリティクスによれば、現在、民主党が優位な選挙区が203で共和党の195を上回っている。

 激戦区は37。民主党は、このうち15選挙区で勝利すると下院の過半数を得ることができる。

 一時は共和党が善戦する可能性もとりざたされた。今年の後半に入ってからトランプ大統領の支持率アップが続いていたことと、カバナー最高裁判事の任命をめぐる政治抗争が保守派の選挙熱を高める意外な結果を生んだからである。

 しかし、選挙間際、トランプ大統領の熱烈な支持者による民主党関係者への爆発物送付事件やユダヤ人を標的とした大量殺人事件が発生したことで、対立をあおるトランプ大統領のやり方に批判が高まり、共和党のいきおいはやや衰えているようにみえる。最近の株価急落も共和党に不利にはたらいている。結果、現在、大方のみかたは民主党が下院で過半数を得るというものになっている。

 もっとも気になることがないわけではない。民主党は、とくに医療保険(オバマケア)の維持を争点に支持を拡大している。一方、トランプ大統領は反移民の主張を繰り返しているが、現在、5千人をこえるひとびとがアメリカ入国をめざしてメキシコ国内を北上行進しており、これが世論にどのような影響を与えるか読み切れない部分も残る。

 来週火曜日の選挙結果が注目される。