2018年12月22日(土)の午前00:01(米東部時間:日本時間午後2時)、アメリカでは暫定予算が期限切れとなり、政府閉鎖がはじまった。
今週水曜日(12月19日)、上院は国境の壁を建設するお金をまったく含まない予算案(ただし国境強化のための16億ドルの予算を認める)を全員一致で採択した。
このころトランプ大統領の壁の建設についての発言がへり、一時、トランプ大統領は、暫定予算案に拒否権を発動しないのではという観測が強くなった。
しかし、そのような見方がふえるなか、トランプ大統領のコアな支持層から壁の建設を放棄するのは公約違反だとトランプ大統領への批判が噴出。
こうしたなか、木曜日(12月20日)、下院では57億ドルの壁の建設費を含む予算案が共和党の賛成多数で可決されることになった(中間選挙の結果が議会に反映されるのは来年1月3日からで、いまは下院でまだ共和党が過半数をしめている)。
するとトランプ大統領はふたたび、壁の建設予算を含まない予算は承認しない(拒否権を発動する)との強硬な発言を繰り返しおこなうようになった。
アメリカでは、両院で同一の法案を可決し、大統領が署名してはじめて法案が成立することになっている。しかし、結局、いまの暫定予算が期限切れとなる2018年12月22日(土)の午前00:01まで両院で調整してひとつの暫定予算法案をつくることができず、アメリカで政府閉鎖がはじまった。
トランプ大統領は、政府閉鎖は長く続くと発言しており、来年1月3日から下院で過半数となる民主党もこの問題では一歩も引かない姿勢をしめしている。
このため政府閉鎖がいつ、どのように収束するか予想するのは難しい状況となっている。今後の推移を注意してみていきたい。
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