大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

GM、最初の人工呼吸器を完成

2020年04月15日 | 経済

 2020年4月14日(火)、GMは最初の人工呼吸器ロールアウト(完成)した

 GMは4月中に600台以上、6月末までに1.5万台、8月末までにさらに1.5万台の人工呼吸器を生産する予定になっている

 GMは先週、米政府と4.894億ドル(600億円:1ドル=110円)で8月末までに3万台の人工呼吸器を生産、納入する契約を締結したばかりで、動きの早さは驚くばかりである。

 これとは別に、米政府はオランダのフィリップス社と、6.47億ドル(700億円)で年末までに4.3万台の人工呼吸器を購入することでも合意している。

 さらにフォードGE(ジェネラルエレクトリック)と8月末までに5万台の人工呼吸器を生産する計画を進めている。

 ウォールストリートジャーナルはフォードとGMの様子をつぎのように記している。

 フォードとGEはAiron社から人工呼吸器のライセンスを取得。

 3月27日にフォードの研究所に、Airon社の1台の人工呼吸器が到着。

 翌日の午後までに、すべての部品が分解され、組み立てる順番に並べ替えがおわった。

 フォードは2交代制(各組260人)で、1分に1台の人工呼吸器を生産する予定になっている。ちなみに、Airon社は週に10台の人工呼吸器しか生産していなかった。

 ところで人工呼吸器の部品数は数百(GMの場合で約700)。大量生産の成功は、部品の確保にかかっている。

 GMは多くの部品について短期間にサプライヤー(約100社)を見つけることができたが、いくつかの部品でどうしても供給が確保できないものがでてきた。

 ここでGMは、自社の2万社のサプライヤーに詳細な設計仕様をおくり、部品供給の可能性を打診。

 数時間のうちに供給企業がみつかった。

 社会の変化にすばやく対応できるアメリカ(企業)の強みをあらためて世界に知らせることになった今回のできごとであった。

 なお日本国内の人工呼吸器は3万台以下。日本でも人工呼吸器の増設が必要とされているが、異業種の参入はなかなか進んでいない

 

2020/4/15追記

 米保険福祉省は、GE、Medtronic PLC、Hamilton Medical、Hill-Rom、ResMed、Vyaire Medical、Zoll Medicalなどと人工呼吸器購入で合意し、5月8日までに6,190台、6月1日までに29,510台の人工呼吸器の納入をうける予定になっていることを明らかにした2020年末までの納入数は137,431台、契約総額は25億ドル(2750億円)となっている。

 現在、アメリカには6.2万台の人工呼吸器があるが、新型コロナウイルスの感染拡大によりその増強が大きな課題になっている。

 

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