アメリカでは新型コロナウイルスによる経済悪化から労働者と中小企業をまもるため、労働者を8週間解雇せず賃金を支払い続けた場合、その賃金総額プラスアルファを連邦政府が中小企業に無償提供するという、おどろくほど気前のいい仕組みがおこなわれている。
それは給与保護プログラム(paycheck protection program)と呼ばれるもので、2020年3月末に議会で成立した2.2兆ドル(240兆円)の経済対策のうちに含まれている。
仕組みはつぎのようになっている。
<対象企業>
労働者(+個人請負も含む)が500人以下の中小企業および非営利団体(NPO)
<金額>
8週間分の賃金および賃料・光熱費(賃料・光熱費は全体の25%以下)。
上限は1千万ドル(11億円:1ドル=110円)。
<無償条件>
企業がローンを受け取ってから8週間、以前からいる労働者をそのままフルタイムで雇用し続けた場合、返済は必要なくなる。
労働時間を短縮した場合は、一部について返済の義務がしょうじる。
この仕組みのため3490億ドル(38兆円)の予算がくまれたが、あっというまに資金がなくなった。
このため、現在、3000億ドル(33兆円)ほどの資金を追加することが議会で検討されており、フィナンシャルタイムズ(2020/4/20)は合意が近いと報じている。
2020/4/22追記
2020年4月21日(火)、米上院は給与保護プログラムに3200億ドル(35兆円)を追加する予算を承認した。
このほか、病院への補助に750億ドル(8兆円)、検査の拡充に250億ドル(2.7兆円)の追加予算も承認された。