近年、先進国で最低賃金の大幅引き上げが続いている(最新のデータはこちら)。
そうしたなかGDP世界11位の韓国の最低賃金が、2018年1月から7530ウォン(738円:100ウォン=9.8円で計算)に引き上げられた。
日本は都道府県ごとに最低賃金を定めているが、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、高知の最低賃金は737円。青森、岩手、秋田、鳥取は738円。山形、愛媛は739円。島根、740円。韓国の最低賃金は、こうした県とほぼ同じになった。
なお韓国の物価は日本より低いため、最低賃金によって可能な生活レベルは韓国の方が高い。
フィナンシャル・タイムズ(2018/3/1)によると、韓国の最低賃金は賃金の中央値の70%で、先進国ではもっとも高くなっている-他の労働者にくらべた賃金水準が高い-。
日本同様に非正規雇用が増大し格差拡大が大きな社会問題になっている韓国であるが、文政権は最低賃金の大幅引き上げにより格差縮小を進めようとしている。
フィナンシャル・タイムズは、雇用や中小零細企業への悪影響を心配する意見も紹介しているが、韓国はいまや自動車、電機、IT、造船、鉄鋼などで世界トップレベルとなっており、それにみあった待遇を人々が求めるのは自然の成りゆきなようにも思う。
現在、日本の最低賃金の加重平均は848円。
日本の最低賃金は他の先進主要国との間に大きな差があってその差がなかなか縮まらない。そうしたなかで、韓国の最低賃金が部分的に日本に追いついた。
今後とも韓国の最低賃金のうごきを注視していきたい。
「韓国の最低賃金のうごきを注視していきたい」とは何故ですか?