2018年4月2日(月)のブルームバーグは、テスラCEOエロン氏が従業員に対し、テスラ・モデル3の週生産台数が2千台を超えるかもしれないと述べたメールを送ったと報じた。
先のブログで述べたように今年の2月、エロン氏はリチウム電池を生産するギガファクトリーの自動生産ラインに問題があり量産が滞っていると言明。ドイツで試験中の新たな自動ラインがアメリカに到着すれば3月末までに週2,500台の生産が可能になるとしていた。
週2,000台は目標に少し足りないが、2017年第3四半期の生産台数がわずか260台だったことを考えればきわめて大きな進歩である。
トランプ大統領による米ハイテク企業への批判が繰り返される中、自動運転中のモデルXの死亡事故(テスラは事故前6秒間、警告にもかかわらず運転者はハンドルに触れていなかったとしている)やモデル3のリコールなど悪いニュースが続いており、この生産進捗に世間がどのように反応するか私にはわからない。
ただ個人的には、この時期にテスラ・モデル3が週2千台の生産を達成することは無理だと思っていたので、あらためてエロン氏の実行力におどろいている。
ロボットは決められた動きをするのは得意だが、部品やねじ穴の位置が少しでもずれるとそれに対応するのが難しい。このため自動車の組み立て工程ではほとんど自動化が進んでいなかった。
しかしドイツのクーカ社(中国企業が買収)は近年、こうした異常にきびんに対応できる自動化ロボットの開発に成功。おそらくテスラは、こうしたクーカ社の最先端技術などをもちいて生産のあい路を克服したと思われる。
電気自動車は部品点数が少なく、装備バリエーションも少ない。エロン氏は、これから生産の自動化を徹底的に進めていくはずである。これがほかのメーカーにも波及すれば、工場で働く多くの人(高給の仕事)が不要になり、その影響ははかりしれない。個人的には、望むと望まざるとにかかわらず自動車生産の「革命」がはじまってしまったと考えている。