初めての出産の最初の子は、なかなか生まれてくることができませんでした。
翌日3匹のうち、最初の子だけが体重が減っているのを受け、獣医の指導のもとスポイトでミルクを与えることになりました。
瀕死の状態から何とか回復した時、どんなに嬉しかったことか・・
けれど他の2匹がヨチヨチと歩き始めたのに、その子は立ち上がることができませんでした。
助けた気になって喜んでいたのは傲慢だったのではないか・・そう思った事もあります。
でも、消えそうな命に手を差し伸べずにはいられなかった。
あれから13年
心を通わせたと実感できた濃密な時間でした。
排泄のタイミングなど、お互いがうまくやっていける方法を見つけながら、関係を築いていく。
不自由な身体でも、それを受け入れて、できる形で精一杯命を謳歌する。
障害に対して、ちょっと後ろめたいような気持ちになってしまう。
それがいつしか、不自由な身体は普通になり個性になって、隠す事なく平静な気持ちでいることに気がつく。
さまざまな事を、その歩けない子に教えてもらいました。
最後の時間も、私の手からスポイトでミルクを少しだけ飲み、腕の中で眠りにつきました。
かけがえのない時間をありがとう。