ASHIGARAアートフェスティバルを通じて知己を得た
鉄のアーティスト 斎藤史門 さんが、61歳の生涯を閉じられました。
3月の終わり、横浜の大桟橋で作品を拝見しながら楽しい時間を過ごしたのが、
最後になってしまいました。
東日本大震災の後、何か出来ることはないかと現地に赴き、
作品を通して南三陸の皆さんと交流を深め、支援されてきました。
想像を絶する大きな力で捻じ曲げられ、引きちぎられた建物や電柱。
そこから飛び出して無残な姿をさらしている鉄筋を見た時、
人の神経や筋肉がむき出しになっているように見えて、痛々しくてたまらなかった・・・
だからこれを、ただの残骸じゃなく、作品にしたいと思った。
積み上げられた瓦礫をトラックに積んで持ち帰り、
それを手当てするような気持ちで、作品として命を吹き込む。
そんな作業だった・・・・そう話してくれました。
忘れられない、忘れてはいけない・・・けれど、目にするには辛すぎる。
そんな震災遺構として保存される物とは違って、
史門さんの想いとやさしさが込められた作品には、希望が見える気がしました。
アートの意味を、アートの可能性を、教えて頂きました。
もっともっと一緒にいたかったけれど、
まだまだ力を貸して頂きたかったけれど、
カッコ良すぎる見事な最後に、ただただ、ありがとうございましたと伝えたい。
合掌