美術の学芸ノート

中村彝、小川芋銭などの美術を中心に近代の日本美術、印象派などの西洋美術。美術の真贋問題。広く呟きやメモなどを記します。

2020-9-13までの呟き

2020-09-14 10:12:00 | 日々の呟き
日本の今日の経済状況、世界的に見て最悪という朝日新聞コラムを数日前に読んだ。
庶民は何も知らず、印刷されたお金を今も欲しがっているが、ハイパーインフレの時代は歴史上確かにあったのだ。
日本国の庶民が老後の生活のために貯めている預金もそうなると紙屑同然となるのか…#財政ファイナンス


茨城県近代美術館に行った。「名作のつくりかた」展を見た。中村彝、中西利雄、浦田正夫、現代の美術では中村義孝さんの作品など、それぞれ少数の展示だが、丁寧に作品制作の秘密やその経過を探っている。

一階の所蔵品展示室では、稲村退三の「滝へ行く道」という作品を見た。
滝は描かれていないが、県北大子町にある有名な袋田の滝に至る小道のことか。
今日の日本の油絵から消え去ろうとしている俳句的作品の妙味を感じた。

この絵が描かれた昭和30年代の滝周辺は今とはだいぶ違う。この絵の前に立って、轟音が聞こえる昔の袋田の滝に至る直前の小道を思い出した。

今は袋田の滝を見るために、大量の観光客のために整えられた安全な人口のトンネルを通って行くが、これは昭和30年代には、まだなかったものである。

稲村退三の絵が袋田の「滝へ行く道」を描いたものとするなら、この作品は、そうしたトンネルができる以前の袋田の滝を思い出させる貴重な作品というべきだ。


「人前で恥をかくと、服従しやすくなる心理実験もあるそうだ。」
頭木弘樹著『食べることと出すこと』についての黒沢大陸氏の書評より


「<人間が生まれながら心に備えている、文法のためのテンプレートなどというもの>はないとする。…ジェスチャーや語順、イントネーション、そして文法などが相互に作用することによって言語が発生したのではないか。」
ダニエル・L・エヴェレット著『言語の起源』についての武田砂鉄氏の書評より

「インテリジェント・デザイン説を痛切に批判し続けている。…聖書を原理主義的に信じる人がほとんどいない日本では、むしろ大人気ない印象すら与えかねないほどの舌鋒の鋭さだ。」
リチャード・ドーキンス著「さらば、神よ 科学こそが道を作る」についての須藤靖氏による書評より


置き場所を動かすと、新しい場所を忘れて古い場所を探すことがしばしばある。あまり場所を動かさない方が忘れない。


様々な「恐怖」が煽られると共和党はトランプ化し、民主党は「左右の内部対立を抱え込む」という今日の朝日新聞コラムを読む。
「恐怖が深めた分断 劣化する政治」


「すがすがしくおめでたい」という社説を読む。「いずれにしろ」が口癖の政治家についての強烈な文章だ。

権力者によるいじめの3段階、孤立化、無力化、透明化があるという。そして「被害者は自ら誇りを掘り崩し、加害者に隷属していくー。」
ジャーナリストにすら権力に隷属化していく傾向が見られるこの時代、ついに安倍政治にも増して「すがすがしくおめでたい」時代の到来か。



コメント
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