帆翔43号に掲載した作品。優太というのは、3年生になる私の甥っこです。すべての人が自分以外の人の存在にきちっと向き合えるよう、そして、理不尽に命が奪われることのない世の中を願い、祈りをこめて書いた作品です。
ひとりひとりの命について
― 親愛なる優太へ
ぼくには名前がある
呼びかけてもらうために
ぼくがぼくであるためには
だれかがいてくれなくては困るんだ
もし地球上にぼくしかいなかったら
たぶん「ぼく」という言い方もないだろう
名前だって必要ない
だってだれもいないのだもの
「ぼくがさ」なんて言っても
話を聞いてくれる相手がいないのだから
ぼくは
おとうさんがすき
おかあさんがすき
ともだちがすき
でもきらいな人もいる
すきという気持ちを知っているから
きらいという気持ちが生まれてくる
だとしたら
ぼくがきらいな人も
ぼくにとって大切な存在なのかもしれない
ぼくには名前がある
呼びかけてもらうために
みんなのなかで生きているから
みんながみんなこの世に必要だから
名前をもって生まれてきた
だから
だれひとりとして
傷つけられてはいけないのだ
まして命を奪われるなどということは
ひとりひとりの命について
― 親愛なる優太へ
ぼくには名前がある
呼びかけてもらうために
ぼくがぼくであるためには
だれかがいてくれなくては困るんだ
もし地球上にぼくしかいなかったら
たぶん「ぼく」という言い方もないだろう
名前だって必要ない
だってだれもいないのだもの
「ぼくがさ」なんて言っても
話を聞いてくれる相手がいないのだから
ぼくは
おとうさんがすき
おかあさんがすき
ともだちがすき
でもきらいな人もいる
すきという気持ちを知っているから
きらいという気持ちが生まれてくる
だとしたら
ぼくがきらいな人も
ぼくにとって大切な存在なのかもしれない
ぼくには名前がある
呼びかけてもらうために
みんなのなかで生きているから
みんながみんなこの世に必要だから
名前をもって生まれてきた
だから
だれひとりとして
傷つけられてはいけないのだ
まして命を奪われるなどということは