読売新聞のエリア情報紙11月号の、子どもをもつおかあさん向けのコラムに掲載したものです。柳田さんのいう通りだと思う。
「秋の夜長におすすめの本」
子育てに悩むお母さんたちに、「基本はここだよ」ということを教えてくれるメッセージ集が、今回紹介する『みんな、絵本から』です。著者はノンフィクション作家の柳田邦男さん。現代の「ケータイ・ネット依存症」を憂慮した柳田さんは、何年も前に「ノーケータイ・ノーゲーム・ノーテレビ」の呼びかけを始め、絵本の読み聞かせの大切さを訴えてきました。
本書は、右ページには写真、左ページには読者からの手紙の一文やさまざまなエピソードが短く語られているという見開き完結の読みやすい構成で、子どもの心の発達や大人の気づきが行間や写真から伝わってきます。子どもたちが求めているもの、大人が本当に与えてあげなくてはならないものについて考え、感じることができる内容で、静かに心を立て直すひとときを与えてくれます。忙しくて疲れた日、秋の夜長に最適な一冊です。
柳田邦男・著/石井麻木・写真(講談社1,200円税別)