すぐに室内でも写真を撮り、「黒ラブの子犬、保護しています」と大きく印字した張り紙を用意しました。妹がパウチッコを持っているので、早速ラミネート加工してもらい、それを持って河川敷へ。
ハル君の飼い主さんがいつも車を止める場所の周辺の鉄柵に、ヒモでくくりつけて帰って来ました。帰りしなにドラッグストアに立ち寄り、幼犬用のエサを購入。うちにはシニア用のエサしかなく、さずがに6カ月の子犬にシニア用のエサではねえ。
室内では、落ちていたワインのコルク栓を口に入れてみたり、ブナのまねをして牛骨をかじってみたり、子犬らしくせわしない。私がちょっと外出し、目が届かない時間が心配だったので、フォールディングタイプの大きなケージを立てておきました。
歯医者に行っていた30分余りの時間、ハル君は大人しくケージに入っていたし、ウンチやオシッコを床でしてしまうこと以外、何の問題もありませんでした。多分、排泄は外でするようにしつけられているのでしょう。
それでも、一応、吠えたり鼻を鳴らして、排泄したいと教えてくれる賢い子。なぜこの子が置き去りに……。
しばらくうちで預かることをいよいよ覚悟した夕方まだ明るいうちに、なんと飼い主さんから電話がかかって来たのです。いつも散歩はご主人が連れてくるのですが、電話は奥さんから。
朝、帰ろうと目を離したすきにハルがいなくなってしまい、何回か探しに行っても見つからなかったとのこと。ずいぶんタイミングが悪かったんだな。ご主人は落胆のまま仕事に行ったようです。
奥さんは近所の人だかに「黒ラブの子犬を保護している」という張り紙を見たと聞かされ、その張り紙を河川敷に確認に行ってから、私の携帯に電話をくれたのでした。
私はすぐにハル君を連れて河川敷に向かい、待ち合わせた飼い主さんに無事ハル君を返すことができたのでした。やれやれ。