小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

お悔み、有難う

2009-12-27 | 犬&猫との暮らし
 トチが亡くなってから、排泄物の処理などをしてきれいにしてやり、トチの娘のほたるの家や黒ラブのレオンの家、イエローラブで闘病中のハンナの家などに電話をし、トチが逝ってしまった報告と生前のお礼を述べました。

 昨日一緒にトチを家に運び込んでくれた妹はあの後、熱海に出かける予定だったので、彼女にも知らせ、ブラジルに赴任しているカヌー仲間だったモラさんにメールを打ち…。トチの死を受け入れなくてはいけないという気持ちが、さっさとそんなことをさせたのだと思います。

 9時半過ぎ、車でさっと行き来できる場所に住んでいるハンナの飼い主の久美子さん・達也さん夫婦がお花やすぐに食べられる食料、お菓子などを持って駆け付けてくれました。
 家の中は散らかり、目は泣き腫らしてひどい状態でしたが、せっかく来ていただいたので、トチに会っていってもらいました。

 トチにかけられた「長患いもせず、本当に親孝行な子だ。立派だったね」と言葉に、涙ボロボロでした。

 今朝は2頭でトチと一緒に歩いた土手道を歩き、その足で黒ラブ・グラッシーの所に報告とお礼に行きました。グラッシーのお父さんとお母さんには、いろいろな犬グッズや犬のおやつをいただき、トチのことも、ほかの2頭も可愛がってもらいました。

 グラッシーファミリーは年寄りになってからのトチしか知りませんが、河川敷のグランドでともに楽しい時間を過ごしました。家の前で立ち話をしていると、近隣に住む黒ラブ・バウの飼い主さんが出て来たので、その方にも報告。

 バウとは昨日の朝、久しぶりに会って、グランドで一緒に遊んだのです。偶然のようにみなと挨拶ができたトチ。よかったね。

 今日は市川からノエホタ母の清美さんが、東大和からレオン母の敦子姉が、お別れに行きたいということで、来てくれることになっています。ブラジルからわざわざモラさんがお悔みの電話をくれました。

 3時から東京家畜博愛院での火葬をお願いしてありますが、トチの形がなくなってしまうと思ったら、どうしようもない喪失感に襲われ、掃除機をかけながらその音にまぎれて、またわあわあ泣いてしまいました。
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トチ、天に召される

2009-12-27 | 犬&猫との暮らし

 12月26日、19時35分。トチの心臓が鼓動を停めました。

 散歩後、車の中でへたり込んだトチをいつも愛用している布団に横たえ、仕事をしながらときどき様子を見に行っていました。荒い呼吸ながら自分で体位を変えることはできても、夕ご飯は食べられず、水をあげても飲もうとしませんでした。

 ひと仕事終えた午後6時半頃、トチの様子を見に行くと、大きく呼吸はしているものの、すでに歯肉が白っぽくなっていて血の気が引き、舌を寝ている側に垂らしていたのです。目はうつろに開いたままで、眠っているわけではありませんでした。

 その状態を確認したとき、トチはもう長くないんだなと思いました。

 それからずっとそばにいました。ときに抱きしめ、体をなで、頬に何度もキスをして、トチに何度も苦しくないか聞きました。トチは「哀しまないで」と伝えてきました。

 7時を回っても、ずっとおなかの動きがはっきりわかるようなゆっくりとした荒い呼吸のまま、目を開いて横たわっています。私はトチに言いました。

「苦しかったら、もういいよ、トチ。もう15歳までがんばってなんて言わないから。もう頑張らなくてもいい。しんどかったら楽になっていいよ」

 そういったら哀しみがこみあげてきて、子どものように大声で泣いてしまった。さすがにブナもクリもボッチもびっくりし、ブナとクリはじっと固まっていたけれど、ボッチは私に駆け寄ってきました。

 7時半頃、トチの顔はもう屍の顔になり、脳が最後に出した信号を規則正しく伝えているかのように、かろうじて呼吸だけは残り、終わりのほうでカッ、カッ、カッと残りの息を出して、静かに呼吸がやみました。
 
 トチの心臓に手を置くと、呼吸は停止しても、かなりの鼓動を刻んでおり、人工呼吸をすれば、もしかしたら息を吹き返すかもしれないと一瞬思ったのですが、トチが「もういい」と決めて肉体を離れようとしている以上、それを受け止めてやるのが私の務めだと思い直し、泣きながら心臓の鼓動が停まるまでそっと手を置いたままで見送りました。

 「なんで亡くなったの?」と聞かれても、原因となる病気は分かりません。トチの肉体は彼女の気持ちとは別に、もういっぱいいっぱいだったのだと思います。
 「お母さんが15回目の桜を一緒に見ることを楽しみにしているから、頑張ろう」と思ってくれていたかもしれないけれど、乳腺ガンやこの夏に切除した悪性腫瘍、予後の前庭障害など、12歳以降に襲って来た数々の病はトチの体にダメージを与えただろうし、ただでさえ加齢によるさまざまな内臓の機能低下は防ぎようもありません。

 朝はグランドでビスケット投げをせがみ、いつものように3頭で歩きました。よかったと思います。トチは急にへたり込んだ自分に混乱していたかもしれません。だから、体は自由に動けなくても、気持ちのうえでは長く生きようと思い、頑張って呼吸を続けていたのでしょう。

 だからといって私は、ガンや悪性腫瘍をも克服してきたトチの、その疲れた肉体をなんとか病院に運び、冷たい診察台の上で医療措置を施してもらおうという気持ちにはなりませんでした。

 気持ちの上ではかなり整理がついていて、取り乱すことはありませんでしたが、はばかる人目もないので、思う存分声をあげて泣きました。トチに労いの言葉とお礼を言いながら。

コメント (2)
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