5月に入って、「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)」の試算結果約5000枚が政府によって隠されていたことが判明した。
原子炉建屋が水素爆発した直後から、どんな放射性物質がどれくらい、どっちの方向に拡散するか予測できたのに、周辺の自治体や住民たちに伏せられていたわけですね。チェルノブイリと変わらないじゃないですか。
放射性物質の拡散予測がどんなにスピーディーに出されていても、公表されないのではまったく意味ない。何のための予測なのか。110億円以上の開発費をかけて、役立てもしないものを作ったわけ?
細野首相補佐官は「公開しなかったのは市民に不安を与え、パニックが起きるのを恐れたため」と釈明しているけど、何も知らずに高濃度の放射性物質を浴びたり、吸い込んだりした子どもや若い女性もいたのではないかなあ。ひどい話である。
何十年後かにそういう人たちに放射性物質による影響が出ても「知らぬ存ぜぬ」を決め込むのかなあ。
「パニック、パニック」と言うけれど、政府や官僚たちはどういうパニックが起きると思っているのか、どうなることを想像して発表しなかったのか、具体的に説明してほしい。
過去の天気予報を見せられても明日に活かせないのと同じで、そんなデータを今頃公開して、どうしろといいうのかなあ。
今でも変わらずに放射性物質が放出され、海にも流れ出ているというのに、何百キロと離れていない海で獲れる魚介類を子どもたちにも「食べろ、食べろ」と勧める県知事もいる。あなたはもう年配者だからいいかもしれないけど、せめて子どもたちは守ってあげようよ。