ブナが目を患い、徘徊がひどくなった昨年の冬は、ブナが石油ファンヒーターにぶつかって倒すといけないと思い、暖房の転換を考えた。
当時ブナは痩せてしまっていたけれど、それでも大型犬なのでファンヒーターにちょっとぶつかるだけで消火するし、元気があった頃はクリと走り回って実際に一度ファンヒーターを倒したことがあったのだ。幸い点火されていなかったから火災には至らなかったけれど、点火中だったらと思うと背筋がぞっとした。
そこで、昨年11月2日にブナが倒れてからは、エアコンの暖房機能と妹が貸してくれた温風機、それに急遽購入したセラミックヒーター(倒れると消える、小型で安全なタイプ)を使うことにしたのだった。
それから1カ月が過ぎ、届いた電気料金の請求書を見て腰を抜かしてしまった。な、な、なんと2万円を超えているではありませんか! 例年冬場は灯油代も含めて1カ月1万円もしなかったのに、もうびっくり。
ブナ、クリの治療費もかかるし、これではストーブを倒さなくても火の車だ。「ダメだ、うちの経済が破綻しちゃう」ということで、エアコンや消費電力を食う温風機、ヒーターは即やめて、それまで通りに石油ファンヒーターを戻すことにした。
石油ファンヒーターをブナがぶつからないような所に設置してみたところ、寝る部屋の暖房効果は多少減ってしまったけれど、ブナがぶつかって倒すことも消してしまうこともなかった。やれやれ。電気代も元通りになり、胸をなでおろしたのだった。
今年も朝晩冷え込むようになり、押入れから石油ファンヒーターを出してきたのだけど、今度は目の見えないカヤのことを考えてやらなくてはならない。
ぶつかってファンヒーターを倒すことはないけれど、カヤは小さいので、温風の吹き出し口にちょうど顔が当たってしまう可能性がある。そこで「大切な赤ちゃんのために」というキャッチで売られているファンヒーターガードを装着・設置することにし、置く場所によって異なるタイプを購入してみた。
これまで何もなかった場所に物を置くと、カヤがやっと覚え始めた室内の配置や方向感覚を狂わせることになるけれど仕方ない。なるべくカヤの動線の邪魔にならない場所にストーブを置いてあげることにしよう。1カ月も経てば、どういうものがそこにあるのかインプットしてくれるだろうし、これならカヤが直に熱い思いはしなくて済む。