病院で処方してもらっている専用の洗浄液で毎日1~2回洗っているのに、カヤの耳の中はなかなかキレイにならない。
うちに来た当初、カヤの耳の中はこげ茶色の大量の耳垢で汚れに汚れていた。繁殖業者の所にいたときには目ヤニも拭ってもらえずガリガリにこびりついていたくらいだから、耳の洗浄などしてもらったこともなかっただろう。
顕微鏡で汚れの原因を検査してくれた先生に「耳ダニですか」と聞くと「いいえ、酵母菌が大繁殖しています」とのことで、たまげてしまったのだった。
「酵母菌」と言われて、私が思い浮かべたのは日本の伝統的な発酵調味料やお酒類やパン。酵母菌が耳の中で繁殖するなんぞ思いもしなかったので「ええ~っ!! 耳の中に酵母菌?!」と思わず叫んでしまったくらい……。
犬の耳の中にいるのはマラセチアという酵母菌。もともと常在菌でいろんなところにいるのだけど、湿気があって風通しの悪い耳の中では繁殖しやすいのだそうだ。特にA・コッカー(だけじゃないけど)の耳の中には毛が生えていて、じめっとしやすく、マラセチアが増殖するにはもってこいの環境のようだ。
トリミングの際に抜けるだけ耳毛を抜いてもらったのだけれど、完全に抜き去ることはできない。初めて診てもらったときに比べると格段にキレイになったと言われたけれど、マラセチアの増殖にまだまだ洗浄が追い付かないという感じ。
なので、左耳の鼓膜もまだ再生されそうになく、もしかしたら一生無理かもしれないとちょっと後ろ向きな気持ちになってしまう。
カヤが左に旋回するのは左耳が聞こえないからかもなぁ。まったく聞こえていないわけではないのだけど、どっちから呼ばれているのか分からないために旋回して壁にぶつかったりする。
気長にコツコツと治療を続けるほかないですね。