小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

『帆翔』51号掲載詩「神宮の森」

2013-11-07 | 

             
                                Photo:「花ざかりの森」より  

  神宮の森

  神宮の森は不思議だ

  木々の枝という枝から
  見えない手が伸びてきて
  やわらかな陽だまりに
  包まれたような
  ぬくもりを感じる

  ぴりぴりと冷えた冬の朝でも
  ねっとりと蒸した夏の午後でも

  わたしの中の癒える力を
  だれかが後押ししてくれている

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『帆翔』51号掲載詩「看取り」

2013-11-07 | 

                     

   看取り

  そこにたどり着くには
  長い階段をのぼらなければならなかった

  途方もないときが過ぎたような気がする
  一方で、一瞬のまばたきの間に
  過ぎたような気もする
  時計の針は指からこぼれ落ち
  いま、ここにある肉体さえ
  不透明に思えた

  けれど
  いくどもの深い呼吸の果てに
  震える唇が謳ったものは
  死への悼みではなく
  生を全うしたいのちの営みの
  うつくしさだった

  こころ通わせた魂は
  いつのときも寄り添いあえるから
  生きたという刻印は
  こころの中にあればいい

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする