VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

現代と「方丈記」①

2013-04-06 16:19:52 | 方丈記

鴨長明が 方丈記を書いたのは

 ちょうど今から八百年前になる(正確には801年)


古文は難しいが 文体はとても美しく感じられ


 意味も解らず読むのが好きだった


今回 文庫で解説書がでていたので ちょっと興味をひかれて買ってみた



 800年という時を超え、人間の本質を考えれば

それほど変わらないのだということに びっくりする


 もちろん 環境や文明は過去とはくらべものにならないが


教育をきちんと受けた階級の人がもつ考え方は

 ほとんど 現代人と変わらないように思える


方丈記から 少し感じたまま 引用してみようと思う



「玉敷きの都のうちに、棟を並べ、甍(いらか)を争へる、高き、賤しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど


  これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家は稀なり。


或るいいは去年焼けて今年造れり。或いは大家亡びて、小家となる。住む人もこれに同じ、


 所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかに一人二人なり。


朝に死に、夕べにうまるるならひ、ただ、水の泡にぞ似たりける。」



 美しい都の景色は 昔も今も変わらないように思えるが よく調べてみると


火事で焼け、建て替えたところもあり、住む人が変わっていたり、豪邸だったのに 小さい家に変わったところもある


 生まれ死には世の常で まるで 水の上にたつ泡のようなものが人間界だ



といったところ




 強烈な「無常感」がただよっているけれど 現代にもおおいにあてはまっているように思う

というか、やはり 自然界も人間界も 「諸行無常」というのが真理なのだと思う


  この後 平安末期から鎌倉にかけて 日本中をおそった飢饉、災害の様子がかかれていく


暫く 方丈記を書いていこうと思う