鴨長明が 方丈記を書いたのは
ちょうど今から八百年前になる(正確には801年)
古文は難しいが 文体はとても美しく感じられ
意味も解らず読むのが好きだった
今回 文庫で解説書がでていたので ちょっと興味をひかれて買ってみた
800年という時を超え、人間の本質を考えれば
それほど変わらないのだということに びっくりする
もちろん 環境や文明は過去とはくらべものにならないが
教育をきちんと受けた階級の人がもつ考え方は
ほとんど 現代人と変わらないように思える
方丈記から 少し感じたまま 引用してみようと思う
「玉敷きの都のうちに、棟を並べ、甍(いらか)を争へる、高き、賤しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど
これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家は稀なり。
或るいいは去年焼けて今年造れり。或いは大家亡びて、小家となる。住む人もこれに同じ、
所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかに一人二人なり。
朝に死に、夕べにうまるるならひ、ただ、水の泡にぞ似たりける。」
美しい都の景色は 昔も今も変わらないように思えるが よく調べてみると
火事で焼け、建て替えたところもあり、住む人が変わっていたり、豪邸だったのに 小さい家に変わったところもある
生まれ死には世の常で まるで 水の上にたつ泡のようなものが人間界だ
といったところ
強烈な「無常感」がただよっているけれど 現代にもおおいにあてはまっているように思う
というか、やはり 自然界も人間界も 「諸行無常」というのが真理なのだと思う
この後 平安末期から鎌倉にかけて 日本中をおそった飢饉、災害の様子がかかれていく
暫く 方丈記を書いていこうと思う