昨日 題を入力し忘れました
今回 長明は 「福原への遷都」をとりあげている
突然の遷都にゆれる人々のさまをつづって
「ひたすらに栄転、昇進を追い求め、上司に目をかけられようと
あくせくしている出世主義者たちは、一日でも早く新都に転居しようと
躍起になった。いっぽう、変革に乗り遅れ、時流から取り残されて
希望を失った脱落者たちは、ぶつくさ不平をこぼしながらも旧都に
留まった。
びっしりと軒を連ねていた京の町並みは、日に日に荒廃していった。
家屋は解体され、筏に組んで淀川に浮かべ、福原まで運ばれた。
その宅地跡は、たちまち自給のための畑地に変わった。
人の心もまるで変わってしまった。
雅な公家ふうを捨てて、実利優先の武家風に染まり、
馬や鞍ばかりを重んずる。
貴族のように牛や車を用いる人はいなくなった。
しかも、新都から近い九州や四国の領地を誓願して、
遠い東北の荘園を敬遠した」
福原への遷都は さながら バブル崩壊後の日本のようだ
長明は当時26歳くらい
福原の都も見にいっているが 日がたつにつれ社会に動揺がひろがり
人々がいらだつさまが書かれている。
そして、半年もしないうちに天皇は 京へ帰ってしまった。
長明は 平家の失政を痛烈に批判している。