VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

現代と「方丈記」⑤

2013-04-10 17:21:51 | 方丈記

昨日 題を入力し忘れました


 今回 長明は 「福原への遷都」をとりあげている


突然の遷都にゆれる人々のさまをつづって


 「ひたすらに栄転、昇進を追い求め、上司に目をかけられようと

あくせくしている出世主義者たちは、一日でも早く新都に転居しようと

 躍起になった。いっぽう、変革に乗り遅れ、時流から取り残されて

希望を失った脱落者たちは、ぶつくさ不平をこぼしながらも旧都に

 留まった。


びっしりと軒を連ねていた京の町並みは、日に日に荒廃していった。

 家屋は解体され、筏に組んで淀川に浮かべ、福原まで運ばれた。

その宅地跡は、たちまち自給のための畑地に変わった。


人の心もまるで変わってしまった。

 雅な公家ふうを捨てて、実利優先の武家風に染まり、

馬や鞍ばかりを重んずる。

 
 貴族のように牛や車を用いる人はいなくなった。

しかも、新都から近い九州や四国の領地を誓願して、

 遠い東北の荘園を敬遠した」


福原への遷都は さながら バブル崩壊後の日本のようだ


 長明は当時26歳くらい

福原の都も見にいっているが 日がたつにつれ社会に動揺がひろがり

 人々がいらだつさまが書かれている。

そして、半年もしないうちに天皇は 京へ帰ってしまった。


 長明は 平家の失政を痛烈に批判している。