VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

現代と「方丈記」⑫

2013-04-18 09:51:17 | 方丈記

おほかた、世を逃れ、身を捨てしより、恨みもなく、

 恐れもなし。命は天運にまかせて惜しまず、いとはず。


身は浮雲になずらへて、頼まず、まだしとせず。

 一期の楽しみは、うたたねの枕の上にきはまり、

生涯の望みは、折々の美景に残れり。




 出家してからは、人をうらんだり、物事を恐れたり

命を惜しむこともなくなった。


 自分はまるで浮雲のように なにものにも縛られず

生きていると思えば、なにかをあてにしたり、

 現状を不満に思うこともない。

ありのままの自分を受け入れている。

 一番の楽しみは 肘を枕にうたたねをして、

自由な境涯を満喫する事である。

 生涯最後の望みは 四季折々の美しい景色を味わって

大自然に遊ぶ事である。



 長明は 人とかかわる煩わしさよりも

一人の寂しさをとった。


 それほど、環境に翻弄される都会での生活に

疲れ果てていたのだと思う。



 人間って 心があるからかえってめんどくさい部分もある。


うつ病を患う人の多さにも そういった事が表れていると思う。


 せめて 人生の終盤には 長明のような境涯になりたいものだ。