枕上書 番外編より
(番外編では 陣法図についての薀蓄が書かれて
いる。十里桃花でも墨淵の陣法図のエピソードや、
片腕になった夜華が陣法図を描いている場面がある。
また、白浅は陣法図の授業が嫌いで 見るだけで頭痛
がするだけでなく 身体じゅう痛くなる。とあった。
番外編では 水沼澤時代、墨淵と帝君の陣法図を
父神が評価する話が出て来る。
陣法図において 最も優れた成績だった二人の
卒業制作品である。
帝君の陣法図の方が優れているが 名前がついていない
事を理由に、墨淵が一番を取った。しかし、帝君の
陣法図の方が優れているのに何故自分が一番なのか
と墨淵は 父神に問う。父神の答えは 一つには
名前がついていない事、もう一つは 帝君の陣法図
は あまりに残酷で敵を壊滅させるに充分なもの。
それ故、この陣法図 父神が乾元と名付けた図は
永遠に封印する。というものだった)
会議が開かれて後、七か月が経った。鳳九はもう
半年以上 帝君に会っていなかった。
帝君の筆頭従者は 鳳九が心配を募らせる事が
無いようにと あれこれ気づかっていた。
帝君は 今回の戦いにこの陣法図を用いるため
封印を解いたので、従者はその陣法図の説明を
鳳九にしたのだった。
あの会議の後、帝君は 直ちに九重天へ帰り、
神王の座についた。八荒最高権力者の象徴である
昼度樹権杖を受け取ってから、帝君は 父神が
封印を施した乾元陣法図の封印を解いた。
そうして、神族 数百万を率いて 半年たたずに
B上神勢力を北荒の地まで押し戻した。
しかし、B上神は北荒の地の気を用いて、北荒の地
全体を覆う結界を作り出し 籠城を決めこんだ。
これが実に厄介で、結界を無理に破れば、北荒の地
の気が崩壊し、北荒の地が全て 無に帰してしまう。
A上神は 神族が 北荒の地を捨てはしないと見て、
この作戦に賭けたのだった。
こうして 大河を挟んで 両軍は膠着状態になった。