うっかりしていたが、自己記録を3分も上回っている。事件である。なんでこんなに速いのだろうか。しかも、たいして疲れていない。この前の手賀沼エコの時のほうがしんどかった。要するに、疲れないで、しかも速く走れたということである。
要因分析①コース形状
結構、高低差の激しいコースであった。スタート後、いきなり長い登り坂で、その後も11キロくらいまで長い登り坂が順々に来る。ワシ、けっこう坂に強い。腰を入れて、推進力を増すような走り方をすれば坂道はOKである。今日も山の神になっていた。と思う。
坂道が終われば、あとは下りである。下りということはフォローであるから、飛ばすだけ飛ばすべきである。下りでちんたら制御しながら走ると、坂道のロスが取り戻せない。下りの走り方は、やはり腰を入れてフラットを走るのと同じように力走する。足を伸ばしてお寺の石段を下るような走り方ではスピードが出ない。ワシは下りに賭けた。何人も抜いたし。
要因分析②打倒ヴィッセル
フラットなコースが連続すると、変化がないから、知らず知らずにスピードは落ちてくる。ここが勝負である。周りのランナーにライバル心を燃やせ。今日のワシでいうと、広島カープの前田のユニ着たやつ、ヴィッセルの朴康造のユニ着たやつ。こいつらには負けてなるかと気合を入れた。おかげで、フラットでもスピードが落ちなかった。ただし、最終的には二人ともに負けた。ヴィッセル野郎は、レース直後、ワシの東京のトレユニを見てほくそえみ笑いの表情を浮かべたのを、ワシは見逃さなかった。
要因分析③時計を見なさい
「時計を見なさい」というのは、高校時代、ワシが友人の家に泊まった時、ふたりとも熟睡して遅刻寸前まで寝ていて、友人のお母さんが、ワシらに向かってしつこく怒鳴った名文句である。「時計を見なさい」。
いつもは時計を見ないで走るワシであるが、今日はなぜかよく見た。5キロで27分、10キロで51分。やばいと思った。ワシは10キロ46分で走る。51分は遅すぎ。体調が悪いのかと思ったくらいである。やばいと思ったから飛ばした。時計を見なかったら、危機感は生じなかったはずだ。あと、終盤、17キロや18キロでも時計を見た。記憶しているのは、あと5キロの看板を見たとき1時間15分だった。ここからやれば何とかなると思った。時計は見るべきである。
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要因分析④番外編
楽しく走ることも大事。ワシは今日、沿道で旗を振る人には手を振った。手を振ると、向こうも応援のし甲斐を感じて声援してくれる。陸上部や実業団の競争ではないのだ。沿道での地元民の声援には応えるべきである。ワシはやりまくった。 高齢のおじいちゃん、おばあちゃんを見つけると怒鳴った。「ばばあ、元気か?」。字面にすると最悪だが、毒マムシ風にやると爆笑が生じる。「元気に決まってるだろ!」。こういうやり取りの後は、不思議とスピードが上がる。力が乗り移るのだろう。