飯田橋のトロワサージュです。
巷ではジビエ・ブームのようですが、ジビエと言えばフレンチの専売特許。
われらがシェフの故郷、福井の若狭よりジビエが届きました。
いのしし です。
色々な部位がございまして、まずはシンプルにゲランドの塩のみで試食。
感想はと言うと…今まで猪に感じていた独特の臭みがありませんでした!びっくりしたのですが、これは処理の仕方が良いからのようです。エゾ鹿もそうなのですが、猟師さんの腕と迅速かつ的確な処理と熟成がジビエの肝です。そこをクリアできないと、なかなかひどいものに出会うこともあります。
クセがないといっても、肉自体の旨味は豊かでサラッとした脂身と赤身の美味しさと言ったら…もう。豚でもなく牛でもない味です。飼料を与えて飼育しているわけではないので個体差はあると思います。何処の里山で獲ったかによっても違うかもしれません。
若狭は古来、御食国(みけつくに)として、朝廷に御贄(みにえ)天皇の御食料を納めていたそうで、山の幸、海の幸と美味しいものの宝庫です。そこで獲れた猪だから、私より滋養のあるものを食べて育ったに違いないと勝手に思っています。
ジビエが苦手だと思っている方も、この本来の肉の味を召し上がったら驚くかもしれませんね。黒い果実でソースを作ったり、ミンチにして煮込んだり…猪を活かして召し上がって戴きます。
冬に猟をしたものが終わったら、また来シーズン。しばらくはお出しできると思います。