寶船熊手
飯田橋のトロワサージュです。
11月の初め、 鷲神社(おとりさま)の一の酉に行ってきました。連休中の穏やかな天気と相俟ってか大変な人の出。縁起熊手の露店が立ち並ぶ中、あれやこれやと目移りして歩いていたのですが、「これっ!!」と目が釘付けに。「よし田」さんの寶船熊手です。私は熊手の事は全くといって良いほど、知識がなかったのですが…一目惚れとは、この事です。
江戸の頃から続く寶船熊手は手描き。その伝統を守り続けているのは今や「よし田」の大女将だけ。吉田啓子さんが作る熊手は、飾りにプラスチックなどの化学素材を一切使っていません。紙と木だけで作った、手描きの七福神や寶船、大福帳、鯛。まさに江戸前、潔い美しさです。
そしてなんと、風をうけている帆がフランス風トリコロールカラーなのです。トロワサージュの店内にあっても全く違和感なし。見ているだけで幸せな心もちになります。
どうか、皆様にも幸多くありますように…。
威勢のいい手打ちの声が飛び交う中、何故か我々と女将さんだけ「オーヴォワール さようなら」、 「アヴィアントー またお会いしましょう」で別れる酉の市でした。