『一緒にいると楽しい人疲れる人』 有川真由美 著 PHP研究社
一緒にいると気持ちが穏やかになって、心も明るくなって、いつまでも話していたいと、自然に思ってしまう人、「一緒にいて楽しい人」の話し方や行動の習慣、考え方のエッセンスが散りばめられていた本でした。「一緒にいて楽しい人」とは、自分も自然体で楽しんでいて、まわりにさりげない気配りもできる人、自分にも人にも、やさしさのある人と語られていて、仕事やプライベートなどのいろいろなシチュエーションで、人間関係を円滑にし、ストレスを溜めない関係を築いて行くための心の持ち方や対処法が例を挙げながら紹介されていました。
ひとつ、印象に残った箇所を取り上げてみました。第5章「魅力的な人」には、わけがあるの中で、忙しいのに忙しいと言わない人について書かれていた箇所です。昔、仕事をし始めた若かりし頃、当時いた職場で、いつお会いしても、忙しい、忙しいと言われていた方がおられたのを思い出しました。忙しいときは誰にでもあるかもしれないけれど、忙しい忙しいと聞く側はしんどかったのが記憶に残っています。たとえ、本当に忙しくても時間のやりくりを駆使したり、全部やろうとせずに、やらなくていいことはやらないようにする工夫、早くできそうなことはすぐにしてしまったり、1日1回は自分のためだけの時間を作るなど忙しさの中でも心を平穏に保ったり、視点を変えて物事を見られる習慣は大事だとこの文章を読んで確認できました。ストレスをうまく貯めない方法のひとつなのかもしれないですね。
読み進めて行くと、なるほどなあと思ったり気が付く内容も多かったですし、この本の中で紹介されていたような方々とお会いしたことがあったことを思い出しました。「一緒にいて楽しい人」は、「会話がはずむ人」「気持ちのいい人」で、それぞれがどんな人かが紹介されていて、一緒にいて楽しいと思ってもらえる人になれるように、「疲れる人」にならないように、日頃から気を付けて楽しく生きて行くことが勧められていました。「疲れた人」が身近にいる場合、その対処法がシチュエーション別に丁寧に説かれていて、役立ちそうな内容でした。
この本の中でいろいろな人別に説明されていますが、捕らわれず比べず謙虚でいることや気にしない習慣、自分に正直に生きて行くことの大切さがどの章を通しても一貫して紹介されていたことに気が付きます。それは、実際の日々の体験で気付いたこととも共通していましたし、以前読んだ何冊かの本に書かれていたことと同じような内容のものも多かったような気がします。