四十九日のレシピ 伊吹春喜 著 ポプラ社
大切な義理の母親乙美を亡くした娘百合子とその父親がこの話の主人公。
彼らをサポートすべき、金髪の19歳の娘井本がその家にやってくる。
ブラジル人のサポートハルミも一緒にこの家族を助けにやってくる。
そして乙美さんの残したレシピを元に
四十九日の大宴会に向けて彼らは動き出す。
この小説の中では残された者が乙美の死を受け入れ、
悲しみを乗り越え、再生していこうと努める過程が描かれていた。
でもこの小説の中で一番印象に残ったのは
家族の再生のしかたではなかった。
乙美の人生を彼女が生きてきた歴史を年代別に紙に貼っていく場面だった。
家族だけでは埋められなかった紙の隙間が家族が知らなかった
乙美に世話になったり、係わった人々の手によって
紙一杯に隙間がないほど彼女の写真や絵手紙などで
びっしり埋められたことだった。
乙美は子供を設けなかった。百合子も子供ができなかった。
でも乙美は誰かのために役立ってきたし、家族が知らないところで
誰かと必ず繋がってきた。子供がいない人といる人、
お金持ちの人とそうでない人、何かを持つ人と持たない人という
そういった絶えず持つものが持たないものを上から見るときにありがちな
偏見・差別感なく一生懸命生きてきた
乙美の一生が愛情を持ってきちっと描かれていたことだ。
大切な義理の母親乙美を亡くした娘百合子とその父親がこの話の主人公。
彼らをサポートすべき、金髪の19歳の娘井本がその家にやってくる。
ブラジル人のサポートハルミも一緒にこの家族を助けにやってくる。
そして乙美さんの残したレシピを元に
四十九日の大宴会に向けて彼らは動き出す。
この小説の中では残された者が乙美の死を受け入れ、
悲しみを乗り越え、再生していこうと努める過程が描かれていた。
でもこの小説の中で一番印象に残ったのは
家族の再生のしかたではなかった。
乙美の人生を彼女が生きてきた歴史を年代別に紙に貼っていく場面だった。
家族だけでは埋められなかった紙の隙間が家族が知らなかった
乙美に世話になったり、係わった人々の手によって
紙一杯に隙間がないほど彼女の写真や絵手紙などで
びっしり埋められたことだった。
乙美は子供を設けなかった。百合子も子供ができなかった。
でも乙美は誰かのために役立ってきたし、家族が知らないところで
誰かと必ず繋がってきた。子供がいない人といる人、
お金持ちの人とそうでない人、何かを持つ人と持たない人という
そういった絶えず持つものが持たないものを上から見るときにありがちな
偏見・差別感なく一生懸命生きてきた
乙美の一生が愛情を持ってきちっと描かれていたことだ。