昨日、公開初日の、映画『ツナグ』を見てきました。亡くなった人とたった一度、月の出る夜から夜明けまでの限られた時間だけ会うことを手助けするのがツナグでした。そのツナグの役割を担うのは、樹木希林さん演ずる祖母から教わりつつ、ツナグの見習いを始める高校生、歩美でした。この映画は歩美の成長物語でもありました。歩美を演じているのは今や成長株の俳優さん、松坂桃李さんです。原作は直木賞作家辻村深月さんの小説で、ファンタジーですが、映画全編はファンタジー映画というよりは、人の生き様を描いた人間ドラマになっていました。本当に亡くなった人と話ができるなら自分は誰と話がしたいかなあと考えながら鑑賞しました。この映画の中で、一番印象に残ったのは、息子から会いたいという依頼を受けたツルを演じた八千草薫さんが歩美に向かって話していた「誰でも会いたいと思ってくれる人がいるなんて嬉しいことよ」という言葉でした。また、最後の場面も印象に残りました。たとえ、大切な人が亡くなっても、誰しも、その人の思いや行いを思い出しながら、また、目に見えないけど、いつも側で見られていると思いながら生きていくといったメッセージが、ナレーションとともに流れていました。大切な人を失った人々へ、応援しているからねという語りかけにも聞こえました。
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