9月14日、梅田の映画館で映画『スオミの話をしよう』を見てきました。三谷幸喜脚本監督の5年ぶり9作目のミステリーコメディ作品です。
あらすじは予告編を貼り付けたのでそちらを参考にされてください。
【予告】映画『スオミの話をしよう』予告【9月13日(金)公開】
スオミ役は長澤まさみさんで、三谷監督はこの映画が長澤まさみさんの映画だと言われてましたが、その通りだった気がします。長澤まさみさんが演じるスオミが5人の現夫・元夫に見せていた姿はそれぞれ違っていてそれぞれの夫たちに合わせていたという設定でした。スオミを取り巻く男たちを翻弄させていたスオミの姿はそれぞれ合わせて生きて行かないといけないというようないわば自らの立場を守っていた姿に見えました。
この映画を見終えるとスオミの夫たちがスオミを一番知っているとそれぞれ自負していたことやスオミを一番愛していると競っていたことがスオミにしたら全く違っていてスオミを夫側の解釈だけで夫たちが都合のよいように理解してスオミの自由度を低め縛り付けていたように思いました。本当の心の底では繋がり切れていなかったという関係性の連続だったのでしょうと思いました。女性の立場から見た男性の一面的な見方やこうあって欲しいというような押しつけがスオミに取ったら自分を解放できる夫たちではなかったということがよく理解できました。社会的ないろいろな問題点が浮き彫りにされていた風刺的な要素もいくつか描かれていた作品だった気がします。この映画を見ていた最中に最近ニュースで毎日取り上げられている兵庫県知事のことを思い出しました。組織の中の上司と部下の関係や立場が違う人同士の関係など、立場が違う人同士が気持ちよく繋がることができるようにするにはスオミ目線で見るとその関係性が果たして今のままでいいのかということがよくわかるかもしれないと思いました。
この映画はコメディ映画なので、到るところで笑いを誘うシーンが盛りだくさんでした。セスナの中でのシーン、おもしろかったです。セスナでの瀬戸康史さんの演技が光ってました。スオミが三番目の夫と中国語でしか話をしていなかったという設定で、本当に中国語で話しているのと思えたシーン、よく聞くと日本語の方言を中国語ぽくしゃべっていただけだったシーンに聞こえました。
最後のシーンは全員でミュージカルのように歌って踊っておられたシーン、圧巻でした。長澤まさみさん歌がお上手でした。この映画で長澤まさみさんの演技の素晴らしさがよくわかるシーンがあちらこちらで散りばめられていました。
ドタバタ劇のシーンがたくさん出てきますが、全編を通して、楽しい映画になっていました。