天野節子著「目線」を読みました。
前作の「氷の華」が面白かったので期待して読み始めましたが
次第にページを捲る指の動きが鈍くなっていきました。
推理小説テイストで決して嫌いじゃない、むしろ好きなジャンルですが
一向に心が動かされる展開にならなくて
かなりイライラさせられました。
結局大した波もなく最後まで読み終えてしまった次第です。
トリックや殺人の動機もまぁそんなに納得いかないほどではないですが
あっさりとしすぎているというか、展開を綴るのに追われて
肝心の登場人物の中身が伴っていないというか
書かれていないというか。
女性作家ならではの「心の闇」みたいなものが犯人が自白する
最後の一瞬にしか現れなくて
かといってこちらの裏をかくような展開ではなく
何もかもが中途半端な印象です。
「氷の華」はドラマ化される位、ヒットした作品で
やはり引き込まれるものが確かに存在していました。
とても同じ作者が書いた作品にはとても思えません。
今作が2作目ということでプレッシャーもあったのでしょうか。
2作目つながりでいうと湊 かなえ著「少女」もかなりがっかりしました。
こちらは作者のテイストみたいなものは残っていて
ラストは割と好きな終わり方でしたが
ストーリー自体が面白くありませんでした。
デビュー作の「告白」も中盤はもたついたところもありましたが
そもそも復讐ものは好きなこともあって
面白かったのも前者のパターンとそっくりです。
1作目が評判になったから次も出せば売れると
編集者の目が甘くなっている感じが両者共しました。
ブレイクした後の作品はある意味その後の方向性を決めることもあって
同じような作風だとまたこう来たか、と思われるし
あまりにもイメージが違う作品だとそれはそれで前の方がよかったと言われるし
難しいところではありますよね。
綿谷りさもデビュー作ではありませんが「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞し
その次の「夢を与える」ではそれまでの彼女のイメージを覆すような
露骨な性描写と展開に唖然としたものです。
嫌いな小説ではなかったんですが
筆者の大人しそうな外見からはちょっと想像がつかない内容であったのは確かです。
彼女自身に何かの決意があったのでしょうけど
それ以降全く作品を出していないのが気になるところです。
個人的には次回作を待ち望んでいる作家さんの一人です。
(もう一人は綾辻行人)
前作の「氷の華」が面白かったので期待して読み始めましたが
次第にページを捲る指の動きが鈍くなっていきました。
推理小説テイストで決して嫌いじゃない、むしろ好きなジャンルですが
一向に心が動かされる展開にならなくて
かなりイライラさせられました。
結局大した波もなく最後まで読み終えてしまった次第です。
トリックや殺人の動機もまぁそんなに納得いかないほどではないですが
あっさりとしすぎているというか、展開を綴るのに追われて
肝心の登場人物の中身が伴っていないというか
書かれていないというか。
女性作家ならではの「心の闇」みたいなものが犯人が自白する
最後の一瞬にしか現れなくて
かといってこちらの裏をかくような展開ではなく
何もかもが中途半端な印象です。
「氷の華」はドラマ化される位、ヒットした作品で
やはり引き込まれるものが確かに存在していました。
とても同じ作者が書いた作品にはとても思えません。
今作が2作目ということでプレッシャーもあったのでしょうか。
2作目つながりでいうと湊 かなえ著「少女」もかなりがっかりしました。
こちらは作者のテイストみたいなものは残っていて
ラストは割と好きな終わり方でしたが
ストーリー自体が面白くありませんでした。
デビュー作の「告白」も中盤はもたついたところもありましたが
そもそも復讐ものは好きなこともあって
面白かったのも前者のパターンとそっくりです。
1作目が評判になったから次も出せば売れると
編集者の目が甘くなっている感じが両者共しました。
ブレイクした後の作品はある意味その後の方向性を決めることもあって
同じような作風だとまたこう来たか、と思われるし
あまりにもイメージが違う作品だとそれはそれで前の方がよかったと言われるし
難しいところではありますよね。
綿谷りさもデビュー作ではありませんが「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞し
その次の「夢を与える」ではそれまでの彼女のイメージを覆すような
露骨な性描写と展開に唖然としたものです。
嫌いな小説ではなかったんですが
筆者の大人しそうな外見からはちょっと想像がつかない内容であったのは確かです。
彼女自身に何かの決意があったのでしょうけど
それ以降全く作品を出していないのが気になるところです。
個人的には次回作を待ち望んでいる作家さんの一人です。
(もう一人は綾辻行人)