ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

No Money No Music

2010年03月06日 | 世の中のこと

第28回中島健蔵音楽賞の最終授賞式と終焉パーティー(懇親会)に出席して参りました。受賞者の1人、中川俊郎さん。選考委員長の諸井誠先生とお話中。

今回で最後の賞となるため、過去の受賞者もスケジュールが合う限り駆けつけました。

文学者でもあり多数の現代音楽の著作を残した中島氏の私財を投じて創設、運用して受賞者を輩出してきたこの賞は、日本のバブル経済が崩壊した後も奇跡のように続き、今年まで継続してきたのでした。

スピーチで諸井誠先生が:「バブル崩壊時、信託先を変えて(パフォーマンス性の高いファンドとか)継続するべきか選考委員で話合ったけれど、『永遠に続く賞は存在しない。資金が途絶えたところで止めるべきだ』という故令夫人の志を汲みました」という言葉になんともやりきれない思いがしました。

選考委員は全員、音楽家。運用ことで煩わせたくない、という夫人の気遣いがあったのではないか。もしくは運用先の信託銀行とも長年のお付き合いで、運用先を変えるとは言えなかったのかもしれません。私の勝手な推測ですが。それでも尊い志が経済事情で消えるというのは残念です。長年ボランティアで(ということも今日知った!)選考委員をしてこられた方たちの気持ちを思うと気が沈みそうになったので、早速1杯飲んだら、まあ:楽しくはなりました。(笑)このさい辛気くさくしてもしょうがない。

乾杯の言葉は:「中島健蔵賞、万歳!」でした。


ヤザワがこの賞をいただいたのは第16回、まだ物心ついて間もないコドモの頃でしたので、こういうことを当時は考えた事もありませんでした。一生懸命頑張れば、誰かが見ていてくれて評価してもらえるんだ!と単純に喜んで光栄に思っていました。

オトナになって(笑)、自分でプロデュース(資金繰りから企画、演奏まで)をするようになって、個人が私財を投じて賞を創設し、文化に貢献し、世の中全体のことを考えることの意味が遅ればせながら理解できるようになりました。

ヤザワも自分の活動が、何かしら社会に貢献できる形を取りたい。と思うようになりました。しかしこういう志は理解されにくい不思議な世の中。「絶対儲かる!」みたいな罠には簡単に落ちるくせに。

以前、無料のワークショップを開催する折、教育委員会に後援をお願いに行ったら:「あなたはこれでどのくらい儲けるつもりなのか?」と聞かれて呆然としたことがあります。

「何か誤解しているな」と思って丁寧に説明したら:「なぜこんな儲けにならないことをするのですか?」と心底不思議そうに聞かれました。

よほど!「あなたみたいな人が教育委員会にいるから、日本の教育は悪くなるばかりなんです!」(←ヤザワも『先生』の端くれ。教師魂炸裂:笑)と言ってやろうかと思いましたが、小人(=卑小な人間。自分の利益しか興味がない)にそんなことを言っても無駄だと思い、やめました。公務員は定額の給料制のはずなのに、どうしてこうカネにシワい人間がいるのか不思議です。というより典型的な下級役人の「休まず遅れず働かず」タイプだったんでしょうね。こういう人間を教育関係に配置するのは問題。戸籍係とか差し障りのない所にいて欲しい。文化関係もやめてもらいたい。民度が落ちる。トップが理想を掲げても、こういう下級役人が日本を腐らせているのです。ホントに企業でも役所でも統制を取るのは大変ですね。トップの気苦労はどこでも同じです。


コドモの頃(しつこいなー:笑)に、賞をいただいた時は「これからも期待に応えて頑張りますっ」みたいなノリだったけれど、選考委員の先生たちや音楽家同士久しぶりにお会いして:「私はどのように人生を締めくくるのか」ということを考えてしまいました。


歳月人を待たず。(みんなトシとっちゃってさ・・まだイケてるけど


悔いのないよう、私は社会に何を還元し貢献できるのか、日々実行していきます。1日1善。なんてケチくさいことは言わないで何善も出来る時はします!

まずは!

確定申告です!


打鍵!多謝→

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7 Comments

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まあね・・・ (おりーぶ)
2010-03-08 07:17:08
国家の文化に対する意識の低さは事業仕訳のときにあからさまになったばかりじゃない。
日本の場合、優秀な人材は国家公務員ならまず財務省、次に通産省、あるいは外務省に行くのでは。
初代がアンドレ・マルローで、ジャック・ラングなどが文化相を務めたフランス文化省とは違いすぎ。


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そうか? (ヤザワ)
2010-03-08 12:13:57
>優秀な人材

はバブル以前から国家公務員にはならなかったと思うけど?それが現状を招いたのでしょう。

>フランス文化省とは違いすぎ

2代富裕でようやく文化に手が届く。3代目で哲学まで思考が及ぶ。選挙資金にあくせくしてると汚職に手を染める。
「子ども手当9億円」と騒ぐ輩はどうやって集めているのか?(笑)

3代調査してから政治家と国家公務員の資格を与えた方がいいのではないか?

誰も文化や教育に貢献した人間がいない家系から文科省に人材を登用するのは無理がある。1代目じゃ右往左往して給料だけもらって役に立たない。

階級社会回帰というのもこの際、悪くない。「カネさえあれば世の中どうにでもなる」という思想を駆除しないといけない時なのでは。。
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えっと (ヤザワ)
2010-03-08 12:21:07
>「カネさえあれば世の中どうにでもなる」

じゃなくて:「金持ちがエラい」という考えかな?駆除すべきことは。

株のトレーダーは世の中にとって尊い人間なのか?「楽して儲ける」詐欺商法に、これだけ人が騙されるのは、文化の衰退の結果だと思う。
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うーん・・・ (おりーぶ)
2010-03-09 19:35:17
>「金持ちがエラい」という考えかな?駆除すべきことは

ゴキブリが増えると嫌です。駆除しましょう。(爆)

文化が衰退した結果が今の社会なのだと思う。
「だからこそ」なーんて言っても誰も相手にしてくれない。まずは衣食住が足りる社会にして、そこから一般教養、文化を享受できる市民社会にする。いったい何十年かかるんだろ。でも、先行投資なくして何もなし。

それから、公務員になるには要社会人経験というほうがいい。そうすれば、上下を問わず公務員でもマトモな人が増えると思う。(もちろん今でも立派な仕事をなさっている人はいるとは思いますが…)
返信する
もーどうでもいー (ヤザワ)
2010-03-09 22:40:08
衣食足りて礼節を知る。とは言っても衣食足りてもダメな方が多くない?もっと衣食を!という欲深さだけが増長されて。食い物がなきゃカニバに走るし。

>公務員でもマトモ

代々公務員。というのはサイアクかもね。。
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それはだねー (おりーぶ)
2010-03-10 07:02:07
>衣食足りても
高度経済成長で衣食が足りた時期にきちんとした文化政策をやらなかった結果だと思う。教育もしかり。バブルの時だって、結局作ったのはハコばっか。中味はお粗末。せめてその時代にやっていればね…。経済は先進国の仲間入りをしても文化は後進国のままだったのだよ。

こうして経済が悪くなって、所得が下がってくると「文化予算はまず削って」となってしまう。そういう意味で最低限の衣食住は確保されていないとダメなのだよ。それなのにその部分が崩壊しかけている。

どーして日本人は金持ちになっても文化的教養がない人が多いのだろう。戦前よりずっと悪いと思う。教育が悪すぎるのか。民度がどんどん下がってしまっている。

今となっては文化政策でも衣食住が足りた他のアジア諸国より劣っているのかもしれない。

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How old are you? (ヤザワ)
2010-03-12 02:47:00
>戦前よりずっと悪い

知らないので同意は出来ないけど(笑)そうなんだろうね。焼け野原で空腹を抱えて立ち上がってから60年?

やはり3代100年計画か。

大正生まれは超インテリが多かったというのもご時世のせいなのかな?

戦後アメリカ文明(文化と言いたくない)が入ってきたことがよろしくないと思うんだけど。フィフティーズ全盛とはいえ、やはり安っぽい。あれを戦勝国のリッチな文化と刷り込ませたところから堕落が始まったのら。ガムもコーラもマヨネーズも大嫌い。

フランス万歳!(国粋主義ではない、というアピール
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