愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

災害史勉強会 西予市宇和町岩木

2024年08月29日 | 地域防災・事前復興
今夕は西予市宇和町の岩木集会所で、昭和18年水害など過去の災害史勉強会。

81年前の昭和18年水害では、岩木地区の河内谷で土砂がため池に流入して決壊、家屋2棟が流される被害があったり、近くの別のため池も決壊したことを地元の方々に教えてもらう。

昭和18年水害時は、7月21日から台風が停滞して4日間の総雨量が宇和で700ミリ、宇和島で940ミリ、松山で540ミリを超えている。西日本豪雨の約1.5倍の降水量。

いま接近中の台風でも数日にわたる大雨の可能性。地元のみなさんと台風への備えを再確認してきたところです。






南海トラフ地震臨時情報への対応は?

2024年08月09日 | 地域防災・事前復興
あらためて地震への備えを進めないといけないですね。家具の転倒防止、津波避難先、経路の確認などなど。

①今回の地震が南海トラフの「全割れ」や「半割れ」ではなく「一部割れ」であること。

②最高レベルの「巨大地震警戒」ではなく「巨大地震注意」であること。

これらのことから、日常の経済活動は継続しながら、防災対策を再確認する。事業やイベント等については、即中止の判断をするのではなく、対策を再確認した上で継続しつつ判断する。

今日はこれから八幡浜市内の津波浸水想定区域内での高校生対象のイベントへ。あらためて津波避難経路を参加者と確認、周知した上で、予定通り開催、参加してきます。

参考までに、南海トラフ地震の発生可能性が高まったと評価された場合に、自治体や企業等がとるべき防災対応についてまとめたガイドラインを貼っておきます。


津波避難町歩きin宇和島

2024年07月14日 | 地域防災・事前復興
今朝は7時から津波避難町あるき。酷暑を避けるため早朝開催。宇和島市のきさいや広場起点に、城山を一周する2.8キロ。牛鬼会議の有志6名で、ハザードマップや古地図を参考にしながら、町の成り立ち、海岸線の変化を確認しつつ、津波避難の課題などをあれこれ考えながら歩いてみました。








西日本豪雨6年

2024年07月09日 | 地域防災・事前復興
7/9(火)NHK松山のラジオ「ひめゴジ」。パーソナリティの岸本南奈さん、愛媛大学大学院地域レジリエンス学環の芝大輔先生と私で西日本豪雨をテーマに話してきました。自分は災害と文化財について。大洲市の古学堂、西予市野村町の緒方酒造、宇和島市吉田町の吉田秋祭りについて紹介。

聞き逃し配信はコチラ(7/16まで)

プレーヤー | らじる★らじる NHKラジオ

プレーヤー | らじる★らじる NHKラジオ

 


愛南町防災研修会

2024年07月08日 | 地域防災・事前復興
西日本豪雨から6年。7月7日(日)は愛南町の小中PTA連合会・校長会の合同の防災研修会&懇親会へ。

過去の災害での被害記録を基に、災害時(今回は特に津波について)の避難ルートについてみんなで考えてみました。

愛南町内。深浦、久良、船越、福浦などの外海は過去の津波での被害も大きく、危機意識も高い。学校での対策も進んでいる印象です。

都市化の進む御荘平城の国道56号付近。低地でしかも僧都川、蓮乗川に囲まれて高台避難する場所や一時避難の津波避難ビルが少ない。ここに位置する御荘中学校の生徒は国道56号を渡って日土峠方向に向かって避難することになっているも歩道橋を渡るのに遠回りせざるをえなかったり、道の駅MICには避難誘導のサインも充分ではなく、様々な課題を認識、共有化したところです。

【参加者募集】卯之町の末光家住宅ミニ講座

2024年01月16日 | 地域防災・事前復興



2月4日(日)13時半から西予市宇和町の伝統的建造物群保存地区「卯之町」の末光家住宅の一般公開。その関連行事として、ミニ講座が開催されます。主催は西予市経済振興課。

今回は、「地域文化を活かした災害復興支援活動ー西日本豪雨から5年半ー」をテーマにお話しします。

事前申込不要。参加費無料。


宇和島語り部発足プロジェクト

2024年01月14日 | 地域防災・事前復興
宇和島語り部発足プロジェクト「地域の宝を語り継ごうワークショップ」。




宇和島NPOセンター主催。本日、ホリバタで開催。宇和島で活動する5団体の活動紹介&参加者との意見交換。多くの市民にご参加いただきました。




【参加団体】
十本松峠の整備と復活の会
宇和島空襲を記録する会
うわじま観光ガイド
ブラ防さんぽ
うわじま文化会議




今日の会の中で、地域の歴史、文化に関わる団体のプラットフォームを、ということで、参加の大学生に早速、「宇和島語り部発足プロジェクト」のインスタアカウント作成してもらいました。

宇和島語り部発足プロジェクト
インスタアカウント



【愛媛CATV】松山市の地震・津波防災シンポジウム

2024年01月11日 | 地域防災・事前復興
愛媛CATVで繰り返し放映されているシンポジウム「南海トラフ巨大地震で発生する大津波で瀬戸内海沿岸部はどうなる!?」。2023年11月5日に松山聖陵高等学校で開催された学際的・活動的 防災シンポジウム。講師は岡村眞(高知大学防災推進センター客員教授) 大本敬久(愛媛県歴史文化博物館専門学芸員)1月中旬についても放映日が告知されています。




参加者募集中 宇和島、地域の宝を語り継ぐワークショップ

2024年01月10日 | 地域防災・事前復興
【参加者募集中】宇和島NPOセンター主催の「宇和島語り部プロジェクト」第二弾。

西日本豪雨の被災体験を次世代にいかに伝えていくのか模索する中で、語り部の養成や、将来の大規模災害を見据えて歴史・文化を活かす事前復興につなげる活動として、このプロジェクトが進んでいます。









1/13(土)13時半〜、ホリバタの3Fホールにて。参加者募集中です。

宇和島市内(宇和島、吉田、三間、津島)で活動中の地域の歴史・文化団体が集まって、各団体の活動紹介、団体同士の交流とともに、会員外の一般参加者と意見交換しながら将来に向けた継承について考えます。

宇和島の歴史・文化に興味のある方、ぜひご参加ください。(市外の方も大歓迎、年齢不問)既に地元の高校生からも参加の連絡が入っています。

各団体の活動を広く知っていただき、今後の取り組み等のアイディアをご提案いただければと思っています。

参加団体は以下の7団体です。
十本松峠の整備と復活の会
宇和島空襲を記録する会
毛利家を守る会
うわじま観光ガイド
ブラ防さんぽ
段畑を守ろう会
うわじま文化会議

各団体とも高齢化や会員減少など悩みを抱えつつ、ミッション、アクション、パッション。会員のみなさんの思いは熱いです。

研究集会「地域の歴史・文化とアーカイブズ―博物館の活動を中心に」

2024年01月08日 | 地域防災・事前復興
日本アーカイブズ学会では、2023年度研究集会として「地域の歴史・文化とアーカイブズ―博物館の活動を中心に」が開催されます。その会告が出ました。

オンライン形式。

愛媛県での西日本豪雨の被災と地域文化の再構築について私も報告します。

【研究集会「地域の歴史・文化とアーカイブズ―博物館の活動を中心に」】
日時:2024年2月12日(月) 14:00~17:00(終了時間は予定)
開催方法:オンライン(Zoom)
開催趣旨
本研究会では、地域の歴史・文化と密接に関わりあう博物館におけるアーカイブズの収集・保存の取り組みや、市民との連携・協働による共有化や活用という視座から、博物館で活躍される方々にご報告いただきます。
2023年4月、博物館法が約70年ぶりに大規模改正となり、博物館が取り組むべき事業のひとつにデジタルアーカイブの作成と公開が位置づけられました。さらに、他の博物館との連携、地域の多様な主体との連携・協力による文化観光など地域の活力の向上への寄与が努力義務として示されました。また、ICOM(国際博物館会議)などの国際的な動向や新型コロナウイルスの世界的流行の経験からも、今日の博物館が求められる役割は、これまで以上に多様化・高度化しています。
国内の地域社会を取り巻く状況に目を向けてみると、頻発する自然災害、少子高齢化に伴う人口減少、都市部への人口集中など、地域社会はめまぐるしく変化し続けています。こうした状況のなか、全国の博物館では各々の地域社会が直面する変化や課題と向き合いながら活動を展開するとともに、さまざまなアプローチによる市民との協働を通して、アーカイブズを中心とする文化資源の活用にも取り組んでいます。
そこで、本研究会ではこうした博物館の取り組みに注目し、これからの地域の歴史・文化を継承する市民との連携や協働のなかでのアーカイブズの収集、保存、活用のあり方についての議論を深めていきます。

主催:日本アーカイブズ学会
共催:人間文化研究機構広領域連携型基幹研究プロジェクト「横断的・融合的地域文化研究の領域展開:新たな社会の創発を目指して」、歴博ユニット「フィールドサイエンスの再統合と地域文化の創発」、国文研ユニット「人口減少地域におけるアーカイブズと歴史文化の再構築」

プログラム(予定)
14:00 開会・開催趣旨説明 川村清志氏(国立歴史民俗博物館)
14:15 原田和彦氏(長野市立博物館)
「令和元年台風19号災害と長野市立博物館の活動-ボランティアと博物館-」
14:40 大本敬久氏(愛媛県歴史文化博物館)
「西日本豪雨からの復興と地域文化の再構築」
15:05 泉田邦彦氏(石巻市博物館)
「博物館資料としての研究者アーカイブズ-中世史研究者大石直正旧蔵資料の現状と課題-」
15:30 島立理子氏(千葉県立中央博物館)
「千葉県立中央博物館の画像資料の整理と公開」
16:10 ディスカッション
コーディネーター 河野未央氏(尼崎市立歴史博物館・あまがさきアーカイブズ)
17:00 閉会

参加申込みは、こちらのフォーム(日本アーカイブズ学会)から。


年始の愛媛CATV放映 松山市周辺の地震・津波史

2023年12月31日 | 地域防災・事前復興
2023年の11月5日に松山市内で開催された防災シンポジウムに登壇して、歴史資料から見た松山市周辺の地震・津波被害について話しました。

このシンポジウムは、愛媛CATVさんに撮影していただき、その様子は3時間弱に編集され、11月からたびたび放映、再放送されたところです。

2024年の年始にも別添のとおり、再放送が続きます。

もう20回近くになるのでは・・・。しかも元日朝9時から・・・。

内容はリアルなもので、お正月のめでたさが・・・と思いつつ、

1回限り、限られた参加者のシンポをこれだけ紹介していただけると、

より多くの市民への防災意識の喚起につながり、ありがたいことで、感謝しております。

愛媛CATVのサイトはこちら。











野村の地域文化をつなぐ会

2023年12月09日 | 地域防災・事前復興



本日は愛媛県西予市野村町での災害復興と文化財・文化遺産活用シンポジウム。野村の地域文化をつなぐ会。

会場は、緒方酒造の酒蔵。2018年7月の西日本豪雨による浸水で大きく被災した後にリノベーション。その建造物を、文化発信のパブリックスペースとして利活用する取り組みでもあります。

今回は、国立歴史民俗博物館の川村清志先生(民俗学)、高科真紀先生(アーカイブズ学)に講師をお願いしました。
 
川村清志さん「災害を乗り越えた記憶の継承―宮城県気仙沼の津波記念碑、震災遺構を中心にー」

高科真紀さん「地域の歴史・文化をひらくアーカイブズの可能性ー沖縄県伊江島・阿波根昌鴻の写真を中心にー」

災害碑、モニュメント、建造物、写真、記録などを活かして野村での西日本豪雨の記憶をいかに継承していくのか、大きなヒントになるお話しでした。川村先生、高科先生、そしてご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

人口減少社会の文化遺産シンポジウム

2023年12月01日 | 地域防災・事前復興



【12月21日は、人口減少社会シンポ】

内子町でシンポジウム「文化遺産の現在と未来ー人口減少社会に生きるー」。

自分も無形文化遺産の継承について報告します。

主催は内子町教委・愛媛大学社会共創学部。

(「気軽にコミニュティカレッジ」という事業名だったことに昨日初めて気づいて、自分、全然「気軽」じゃない発表タイトルにしていてちょい焦る。)

募集始まっていますが定員50名、先着順とのこと。参加ご希望の方はお早めに申込ください。

シンポ終了後には、交流会もあります。