大本敬久『触穢の成立──日本古代における「穢」観念の変遷』創風社出版
日本的文化という構造のなかで「穢」や「ケガレ」、「触穢」といった用語とその概念を考究する──歴史学的研究と民俗学的研究との往還を通して進められる分析
評者 皆川勤氏
昨年度末に刊行した拙著『触穢の成立』(創風社出版)。発行部数もさほど多くはなく、内容も自分の昔の修論をベースとしていて、一般の方にわかりやすく読んでもらう体裁をとっていないこともあり、多くの人の眼には触れることのない本だと思っていましたが、この度、図書新聞に評論家・皆川勤氏による書評が掲載されました。ありがたいかぎりです。
最初は、単なる書誌紹介だと思っていたのですが、実際、図書新聞を見てみると驚きました。朝日新聞や読売新聞での書評よりも長文で、しかも内容も濃い。身が引き締まりました。
この本を出す、出さない。いや出せない、書けない。いや出さねばならぬ。十数年前からずっと自分の中に葛藤がありました。出すなら修論を土台にして広くケガレ論を展開し、日本文化における規範や秩序といったものにまで言及しないといけない。しかしその到達点までの遥かな道程が理解できるだけに、長時間、足踏みをしていました。(自分も40代になり、20歳代の原稿をいつまでも囲っているわけにもいかない。長い時間をかけて次の成果を出せばいいかな、とようやく吹っ切れて、刊行に到りました。)
書評のさいごに「著者が、本書の後に、日本文化の基層へ、さらなる鋭利な分析をくわえていくことを期待したいと思う。」とあります。
ありがたい叱咤激励と受け止め、次のケガレ・穢研究の成果を出す準備を少しずつ進めていこうと思っています。
図書新聞のサイトはこちら
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_article.php
評者による書評の文章はこちら。
「フーコの日日雑記」
http://fuco1123.jugem.jp/?cid=9
日本的文化という構造のなかで「穢」や「ケガレ」、「触穢」といった用語とその概念を考究する──歴史学的研究と民俗学的研究との往還を通して進められる分析
評者 皆川勤氏
昨年度末に刊行した拙著『触穢の成立』(創風社出版)。発行部数もさほど多くはなく、内容も自分の昔の修論をベースとしていて、一般の方にわかりやすく読んでもらう体裁をとっていないこともあり、多くの人の眼には触れることのない本だと思っていましたが、この度、図書新聞に評論家・皆川勤氏による書評が掲載されました。ありがたいかぎりです。
最初は、単なる書誌紹介だと思っていたのですが、実際、図書新聞を見てみると驚きました。朝日新聞や読売新聞での書評よりも長文で、しかも内容も濃い。身が引き締まりました。
この本を出す、出さない。いや出せない、書けない。いや出さねばならぬ。十数年前からずっと自分の中に葛藤がありました。出すなら修論を土台にして広くケガレ論を展開し、日本文化における規範や秩序といったものにまで言及しないといけない。しかしその到達点までの遥かな道程が理解できるだけに、長時間、足踏みをしていました。(自分も40代になり、20歳代の原稿をいつまでも囲っているわけにもいかない。長い時間をかけて次の成果を出せばいいかな、とようやく吹っ切れて、刊行に到りました。)
書評のさいごに「著者が、本書の後に、日本文化の基層へ、さらなる鋭利な分析をくわえていくことを期待したいと思う。」とあります。
ありがたい叱咤激励と受け止め、次のケガレ・穢研究の成果を出す準備を少しずつ進めていこうと思っています。
図書新聞のサイトはこちら
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_article.php
評者による書評の文章はこちら。
「フーコの日日雑記」
http://fuco1123.jugem.jp/?cid=9