東予地方や南予地方では、ダンジリや太鼓台、牛鬼といった神幸行列を引き立てる風流が見られるが、中予地方にはそういったものが見られない。ところが、中予でも風早地方にはダンジリがあり、民俗的に越智郡との繋がりも見られ、中予と東予の中間地域と見ることができる。
この北条市の国津比古命神社や鹿島神社の祭礼に登場するダンジリは、西条市のダンジリや新居浜市の太鼓台とは異なり、彫刻や金糸の刺繍などの装飾がほとんどみられない。また、屋根はなく、吹き抜けで、四本柱に日の丸の小旗を付けた笹竹を立てている。中央には提灯を吊し、台座部に半鐘と太鼓を据える。ダンジリ本体の高さは大きいもので三メートル弱、かき棒の長さは十メートル強である。豪華壮麗さは無いが、ダンジリの原初的形態を保っており、県内のダンジリの発達を考える上で指標となるものである。つまり、この北条ダンジリに高欄が付き、彫刻を施すと西条型ダンジリとなり、布団屋根を付けて、周囲に飾り幕を飾ると新居浜型太鼓台となるわけである。なお、笹を四本柱に立てる風は、南予の四ツ太鼓にも共通する。この北条ダンジリの形態の原初性は、全国的に見ても珍しく、愛媛を代表するダンジリと言っても過言ではない。
なお、現在、北条市内には四十数台のダンジリが存在し、祭りでは半鐘を打ち鳴らしながら地区内をまわる。このことから、祭りを「風早火事祭り」とも称している。
私は、この北条ダンジリをベースに、新居浜太鼓台、西条だんじり、南予の四ツ太鼓を比較検討すると、愛媛におけるダンジリ、太鼓台の系譜が明らかになるのではないかと考えている。
2000年05月30日
この北条市の国津比古命神社や鹿島神社の祭礼に登場するダンジリは、西条市のダンジリや新居浜市の太鼓台とは異なり、彫刻や金糸の刺繍などの装飾がほとんどみられない。また、屋根はなく、吹き抜けで、四本柱に日の丸の小旗を付けた笹竹を立てている。中央には提灯を吊し、台座部に半鐘と太鼓を据える。ダンジリ本体の高さは大きいもので三メートル弱、かき棒の長さは十メートル強である。豪華壮麗さは無いが、ダンジリの原初的形態を保っており、県内のダンジリの発達を考える上で指標となるものである。つまり、この北条ダンジリに高欄が付き、彫刻を施すと西条型ダンジリとなり、布団屋根を付けて、周囲に飾り幕を飾ると新居浜型太鼓台となるわけである。なお、笹を四本柱に立てる風は、南予の四ツ太鼓にも共通する。この北条ダンジリの形態の原初性は、全国的に見ても珍しく、愛媛を代表するダンジリと言っても過言ではない。
なお、現在、北条市内には四十数台のダンジリが存在し、祭りでは半鐘を打ち鳴らしながら地区内をまわる。このことから、祭りを「風早火事祭り」とも称している。
私は、この北条ダンジリをベースに、新居浜太鼓台、西条だんじり、南予の四ツ太鼓を比較検討すると、愛媛におけるダンジリ、太鼓台の系譜が明らかになるのではないかと考えている。
2000年05月30日