南予地方の郷土料理に「ふくめん」があります。この語源について考えてみました。
農文協の『聞き書愛媛の食事』によると、「こんにゃくとそぼろの料理」。「白身魚を蒸し、白身だけをとりだし、ふきんにつつんでもみながら水にさらして脂をとる。弱火で煎り、そぼろにして・・・」とあります。
語源は「こんやくがそぼろで覆面しているのでふくめんといい、「福面」の佳字をあてる」とあるが、これが正しいとは思えません。
祝事の料理なので「福」をもたらすコンニャク「麺」で、「福麺」となったと考えるのが妥当でしょうが、そんな簡単なことではないようです。
『日本国語大辞典』(小学館)に「ふくめ」という項目があり、「魚料理の一種。干した鯛、かます、鮫などの肉を細かくむしって、すりつぶしたもの。〔料理物語-20〕」とあります。
この出典となっている『料理物語』は、寛永20年(1643)に刊行された書物で、江戸時代初期の代表的な料理書です。
「ふくめ」が、今から400年前の江戸時代初期に「魚の身をすりつぶしたもの」の意味で使われていたことは確かです。そして、南予の「ふくめん」は魚のそぼろであり、類似点があります。
つまり、南予海岸部の郷土料理である「ふくめん」は、もともと「魚のそぼろ」が主役の料理だったのではないか。これに様々な品が加わっていき、後にコンニャク麺が加わっていったのではないか?と推察できます。
こんにゃくを主とする郷土料理「ふくめん」が山間部ではなく、海岸部にあるのも不思議だと思っていましたが、魚料理の「ふくめ」が原点だとすれば、納得がいきます。
農文協の『聞き書愛媛の食事』によると、「こんにゃくとそぼろの料理」。「白身魚を蒸し、白身だけをとりだし、ふきんにつつんでもみながら水にさらして脂をとる。弱火で煎り、そぼろにして・・・」とあります。
語源は「こんやくがそぼろで覆面しているのでふくめんといい、「福面」の佳字をあてる」とあるが、これが正しいとは思えません。
祝事の料理なので「福」をもたらすコンニャク「麺」で、「福麺」となったと考えるのが妥当でしょうが、そんな簡単なことではないようです。
『日本国語大辞典』(小学館)に「ふくめ」という項目があり、「魚料理の一種。干した鯛、かます、鮫などの肉を細かくむしって、すりつぶしたもの。〔料理物語-20〕」とあります。
この出典となっている『料理物語』は、寛永20年(1643)に刊行された書物で、江戸時代初期の代表的な料理書です。
「ふくめ」が、今から400年前の江戸時代初期に「魚の身をすりつぶしたもの」の意味で使われていたことは確かです。そして、南予の「ふくめん」は魚のそぼろであり、類似点があります。
つまり、南予海岸部の郷土料理である「ふくめん」は、もともと「魚のそぼろ」が主役の料理だったのではないか。これに様々な品が加わっていき、後にコンニャク麺が加わっていったのではないか?と推察できます。
こんにゃくを主とする郷土料理「ふくめん」が山間部ではなく、海岸部にあるのも不思議だと思っていましたが、魚料理の「ふくめ」が原点だとすれば、納得がいきます。