愛媛資料ネット(芸予地震被災資料救出ネットワーク愛媛)の会報第18号(2011年5月17日付)が郵送されてきました。そこに掲載されている原稿は、河野未央氏「『水濡れ史料の吸水乾燥ワークショップ』の開催とその意義ー『史料の救命士』の輪を広げる-」でした。
河野未央氏は、史料ネットで水損史料の救出等の活動を行ってきた方で、編著『水損史料を救う』があります。
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/27567160.html
最近、古文書など被災史料を真空凍結乾燥機で処置していることをニュース等で取り上げられることがありますが、河野氏の文章をここで少しだけ、引用しておきます。
「史料ネットでは史料の救出活動に際して、機械(真空凍結乾燥機)による乾燥作業とともに、手作業での吸水乾燥作業を行ってきた。手作業での吸水乾燥作業は、修復の専門家が行う本格的な措置ではなく、いわば応急措置であり、それゆえ作業自体は、身の回りにある物品を利用した『いつでも・誰でも・どこでも』『安くて(ローコストで)・簡単に』行える作業である。」
そして、そのノウハウ・経験を伝えるためにワークショップを行っており、その内容が紹介されている。
「なぜ『応急処置』なのか。第一に水損史料へは迅な対応が求められること、第二に、災害時様々な事態が想定されるなかで大量の史料群に対して吸水乾燥措置をとらなければばらないことから、高度な専門性や物品、技術を要求されることはなく、『誰でも』できる作業こそが現実の災害への対応としては有効である」
「作業従事者に修復の経験が全く無くても、濡れた史料を『乾かす』こと自体はある程度可能だということがわかった。多くの人々が乾かすための知識を持っていれば、万一の際の災害が起こって被害に遭ってしまった民間所在史料でも、ギリギリのラインで滅失(『史料の死』)の危機から救うことができるのである。」
詳細の処置の方法については、松下正和・河野未央『水損史料を救うー風水害からの歴史資料保全ー』(岩田書院、2009年)に詳しいが、この愛媛資料ネット会報18号でも簡略に紹介されています。
愛媛資料ネットの概要はこちらです。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~macchan/ehime_net.htm
テレビ等で史料レスキューが紹介されると、被災した古文書は、真空凍結乾燥機を使わないと処置できないと、逆に誤解を広めることにもなりかねないとも感じていたので、この『いつでも・誰でも・どこでも』『安くて(ローコストで)・簡単に』行える作業ということを広く伝えることも重要です。
河野未央氏は、史料ネットで水損史料の救出等の活動を行ってきた方で、編著『水損史料を救う』があります。
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/27567160.html
最近、古文書など被災史料を真空凍結乾燥機で処置していることをニュース等で取り上げられることがありますが、河野氏の文章をここで少しだけ、引用しておきます。
「史料ネットでは史料の救出活動に際して、機械(真空凍結乾燥機)による乾燥作業とともに、手作業での吸水乾燥作業を行ってきた。手作業での吸水乾燥作業は、修復の専門家が行う本格的な措置ではなく、いわば応急措置であり、それゆえ作業自体は、身の回りにある物品を利用した『いつでも・誰でも・どこでも』『安くて(ローコストで)・簡単に』行える作業である。」
そして、そのノウハウ・経験を伝えるためにワークショップを行っており、その内容が紹介されている。
「なぜ『応急処置』なのか。第一に水損史料へは迅な対応が求められること、第二に、災害時様々な事態が想定されるなかで大量の史料群に対して吸水乾燥措置をとらなければばらないことから、高度な専門性や物品、技術を要求されることはなく、『誰でも』できる作業こそが現実の災害への対応としては有効である」
「作業従事者に修復の経験が全く無くても、濡れた史料を『乾かす』こと自体はある程度可能だということがわかった。多くの人々が乾かすための知識を持っていれば、万一の際の災害が起こって被害に遭ってしまった民間所在史料でも、ギリギリのラインで滅失(『史料の死』)の危機から救うことができるのである。」
詳細の処置の方法については、松下正和・河野未央『水損史料を救うー風水害からの歴史資料保全ー』(岩田書院、2009年)に詳しいが、この愛媛資料ネット会報18号でも簡略に紹介されています。
愛媛資料ネットの概要はこちらです。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~macchan/ehime_net.htm
テレビ等で史料レスキューが紹介されると、被災した古文書は、真空凍結乾燥機を使わないと処置できないと、逆に誤解を広めることにもなりかねないとも感じていたので、この『いつでも・誰でも・どこでも』『安くて(ローコストで)・簡単に』行える作業ということを広く伝えることも重要です。