8月以来、週末台風の影響で延期続きの湧水巡り、昨日ようやく完結しました。
最後に紹介するのは、宮古島水道水の水源。
島の東海岸中部にある「白川田(スサカダー)水源地」です。
宮古島の生活水源は、洞窟の底にある湧水や崖下の湧水を人力で運び上げる時代が続いていましたが、これを簡易水道として普及し始めたのが1950年代から60年代にかけてです。
その後、この水源を中心とする水源から浄水場を経て、市街地に供給する工事が始まり、1077年までにはほぼ全域に給水が始まりました。
この水源では、もう一つの水源と合わせて1日15,000トンが湧出しており、貴重な島の水がめです。
休日にもかかわらず、職員が特別に湧水の取り入れ口の蓋を開けてくれました。
中には取水口があり、5mほどの深さのところに轟々と音を立てて流れ込んでいます。
さてここの水道水、いささか厄介です。
島は、石灰岩を主体とする地質であるため、炭酸カルシウムを多く含み、台所のシンク、浴室の金属部分のみならず浴槽まで白くうろこのようなカルシウム分が付着します。コーヒーメーカーのフィルターは半年で白く変色し、透過度が悪くなります。
その原水の硬度は300mg/L。おいしい水の硬度は10から100mg/Lといわれているらしいですから超硬度です。
この硬度を調整し、90から100mg/Lまで下げるため、浄水場では、ペレットリアクターによる硬度低減化を行っているのです。
が、この方式、1日6トンものペレットを生産してしまうのです。さらにこのペレット、一部コンクリート骨材として使用されているのみで、有効な利用法が確立されていないという現状です。
でも、水は結構おいしいですよ。ただ、地表での肥料や汚水などによる地下水汚染が懸念されており、島の人はペットボトルや販売水が大好きです。
この浄水場で最も感激したのは、このガジュマルの大木です。
何かが宿るというレベルではなく、この木自体がもういっちゃってます。
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