ひまわりおばけ
ゆり 作
きょう、ひまわりのおばけにあったよ。ひまわりばたけにいたんだよ。ほんとなんだ。
おばけっていつもはみえないのに、みえるんでしょう?
まいにちひまわりばたけにいって、ひまわりの中をあるいていたけど、いつもはみえなかったよ。でもきょうはね、ぼくのせいよりもたかいひまわりの花をみあげると、ぼくのてのひらくらいのおおきさのひまわりおばけがぼくをみていたんだ!
びっくりして、いっしゅんいきがとまったよ。
「あ、あ、あ、おばけ!」
おばけは、きいろいぼうしをかぶっていて、きいろいかみのけはひまわりの花びらみたいで、きいろいへんてこりんなようふくをきていたよ。ぼうしやようふくには、ちゃいろやみどりいろのつぶつぶのかざりがついていた。
ひまわりおばけは、ぼくににっこりわらいかけた。そのわらいがおはとってもまぶしくって、ぼくはちょっとくらくらした。
ひまわりおばけはなにもいわずに、でもずっとわらいながら、ぼくのあたまの上にひまわりの花びらをなんまいもなんまいもおとしたんだ。だから、ぼくのあたまはきいろいぼうしをかぶったみたいになってしまった。
それでね、ふしぎなんだけど花びらがぼくのあたまにおちるたびに、あったかくってやわらか~いひかりがぼくのあたまからからだの中にひろがっていったんだ。
すっごくきもちがよくって、ねむたくなっちゃったから、そこでおひるねしちゃったよ。
ゆめの中にもひまわりおばけはやってきた。
ゆめの中でもぼくにきらきらわらいかけていた。ぼくのこと、すきなのかな?
それから目がさめて、もうひまわりおばけはいなかった。
「おーい、おーい、ひまわりおばけー。」
なんどもよんだんだけど、あらわれなかった。
それから一しゅうかん、まいにちひまわりばたけにいったんだけど、ひまわりおばけはもう二どとあらわれなかった。
「おーい、ひまわりおばけー。」
また、ひまわりおばけにあいたいなぁ。
でも、もうすぐなつがおわる。ひまわりももうすぐ花をさかせなくなるだろう。
また、あいたいのになぁ…。
おばけってぜんぜんこわくないんだよ!
(おしまい) 2003/5/10
中日新聞 みんなの童話 佳作 (2003/6/29)
ゆり 作
きょう、ひまわりのおばけにあったよ。ひまわりばたけにいたんだよ。ほんとなんだ。
おばけっていつもはみえないのに、みえるんでしょう?
まいにちひまわりばたけにいって、ひまわりの中をあるいていたけど、いつもはみえなかったよ。でもきょうはね、ぼくのせいよりもたかいひまわりの花をみあげると、ぼくのてのひらくらいのおおきさのひまわりおばけがぼくをみていたんだ!
びっくりして、いっしゅんいきがとまったよ。
「あ、あ、あ、おばけ!」
おばけは、きいろいぼうしをかぶっていて、きいろいかみのけはひまわりの花びらみたいで、きいろいへんてこりんなようふくをきていたよ。ぼうしやようふくには、ちゃいろやみどりいろのつぶつぶのかざりがついていた。
ひまわりおばけは、ぼくににっこりわらいかけた。そのわらいがおはとってもまぶしくって、ぼくはちょっとくらくらした。
ひまわりおばけはなにもいわずに、でもずっとわらいながら、ぼくのあたまの上にひまわりの花びらをなんまいもなんまいもおとしたんだ。だから、ぼくのあたまはきいろいぼうしをかぶったみたいになってしまった。
それでね、ふしぎなんだけど花びらがぼくのあたまにおちるたびに、あったかくってやわらか~いひかりがぼくのあたまからからだの中にひろがっていったんだ。
すっごくきもちがよくって、ねむたくなっちゃったから、そこでおひるねしちゃったよ。
ゆめの中にもひまわりおばけはやってきた。
ゆめの中でもぼくにきらきらわらいかけていた。ぼくのこと、すきなのかな?
それから目がさめて、もうひまわりおばけはいなかった。
「おーい、おーい、ひまわりおばけー。」
なんどもよんだんだけど、あらわれなかった。
それから一しゅうかん、まいにちひまわりばたけにいったんだけど、ひまわりおばけはもう二どとあらわれなかった。
「おーい、ひまわりおばけー。」
また、ひまわりおばけにあいたいなぁ。
でも、もうすぐなつがおわる。ひまわりももうすぐ花をさかせなくなるだろう。
また、あいたいのになぁ…。
おばけってぜんぜんこわくないんだよ!
(おしまい) 2003/5/10
中日新聞 みんなの童話 佳作 (2003/6/29)