秋田さきがけ新聞 2019.1.9付
今朝の「秋田さきがけ新聞」の「北斗星」に、福司満(ふくし まん・昨年12月25日死去)さんの方言詩に関する記事があった。
第三詩集『泣ぐなぁ 夕陽コぁ』に収められた「村サ雪降んな」を引用している。せっかくの機会なので次に全文を紹介する。尚、当ブログではルビ振りが無理なので、雰囲気を壊してしまうが括弧書きで代用する。
村サ雪降んな
奥(おぐ)の本家(おやげ)も
手前(でわ)の分家(えっこ)も
何処(ど)サが行(え)てしまテ
のそのそど
朝(あさま)から雪(ゆぎ)ばり降ってしゃ
年寄(としょりこ)ぁ
土間(にわ)ぁ
もちゃもちゃど歩(あ)ぐども
にこっともスねもんだ
何十年も
雪ばり見で
雪山(やま)ばり見で
そのたんび
大ぎだ溜息して
シャブロコ持たまま
裏口(かぐち)の薦(こも)コぁ潜(もぐ)て行(え)がぁ
粟福だの米福だの
あの遠(と)ぎぃ話コも
薪(たぎもん)コぁぱちぱちど撥(は)つければ
年寄の瞳(まなぐ)コぁぴくっとスども
誰(だ)も居(え)ねばなぁ
息子等(わらしど)ね
早ぐ戻て来えテ
叫(さが)ぶもしねぇ
泣ぐもしねぇ
ままんで気力(えんか)抜けて
晩(ばんげ)なれば
水場(かどこ)の水コぁ
ちょろちょろど
落ぢでるばんだ
のそのそど
今日も雪降って
ただ雪ぁ見でるばんだ
雪ぁ
あどえらねぇ
あどえらねぇテ
春まで雪ぁ降て
まだ家コ消(ね)ぐなて
やんでね
村コのごど
誰(だ)も
何も手助(ひ)ねして
ぼうと立ってるばんだべ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます