銀のニーナ 全15巻
漫画、イトカツ
東京で仕事を失い帰京したシュータロー、
そこには姉の娘ニーナがいた。
という田舎ライフ漫画。
東京での仕事に未練のあるシュータロー、
母と離れても田舎(日本)を楽しもうと
何にでも前向きなニーナ、
シュータローを想うキャベツ畑の
跡取り娘で農作業に誇りのある幼馴染トモエ、
時間が経つに連れ変わる思いと
変わらない思いの中で揺れるシュータローが
選ぶ道は…という漫画。
というわけで本編。
ニーナちゃんは、フィンランドとのハーフ。
両親は離婚してて母親は仕事が忙しく
ニーナの希望で日本の祖父母のところへ。
ニーナは日本好きの真っ直ぐ素直な女の子。
2学期から学校に通うことになるニーナの
夏休みの間の子守りを任されるシュータロー。
何もかもが初めてで楽しくてしょうがない
ニーナに、こんな田舎の何が楽しいんだと
思っていたシュータローも
いつしか一緒に楽しんでいく。
学校が始まり、
友達も出来て楽しそうなニーナ。
シュータローは
キャベツ畑の収穫の短期バイトをして
それを元手に東京で職探しをするつもり。
東京の友達から自分が勤めてる会社の新事業で
人手を探してるから来ないかと誘われる。
ニーナは憧れの東京に行くと知り着いていく。
面接はそんなに時間もかからず
ニーナと東京観光を満喫する。
手応えがあったので意気揚々としてたが、
事業自体が頓挫したためシュータローの
採用もなくなる。
東京に行くアテがなくなり、
意気消沈するが、
ニーナやトモエのおかげで立ち直る。
田舎にも少し愛着が出てきたシュータロー。
トモエとの距離も近づき、
否定しても周りは付き合ってるものとして
接してくるしトモエの気持ちも気づいてない
わけでもない。
トモエには東京にでる選択肢はないし
シュータローは田舎に居続ける覚悟がないため
誤魔化し誤魔化しなんとか友達関係を保つ。
しかし、少し田舎暮らしへ前向きになろうと
前々から誘われていたトモエのキャベツ畑での
バイトをする。
元から娘の後押しをしていた母親と
シュータローの仕事ぶりを気に入った父親にも
トモエの婿にならないかというプレッシャーを
かけられ悩むシュータロー。
トモエの方は
シュータローはもう東京に行く気がないと
思い込んでいる。
そんなシュータローに
東京の友達から連絡がくる。
なんと友達は会社を立ち上げていた。
(シュータローと同じ夢の持ち主だったので
先を越された感じで複雑なシュータロー)
そして、軌道に乗ってきたから
即戦力として来て欲しいとラブコール。
とりあえず会社を見に行くことにする
シュータロー。
誰にも言わずに行くつもりが
ニーナにバレてまた一緒に行くことに。
トモエには友達に会うだけと
東京で就職するかもしれないことは内緒に。
ニーナは夏休みの間 北軽井沢に来ていた
千葉に住む女子高生に原宿案内してもらう。
そこで、モデルのスカウトに合うが
名刺だけもらって逃げる。
名刺は本物だが、声優になりたいニーナは
モデルというのにピンとこないが
先生には表現者という意味では同じだから
やってみてもいいのではと言われる。
しかし、今はいいかなとニーナは思う。
やはり東京で勝負せずに
田舎暮らしを決めることはできない
シュータローは、
東京に行く決意をする。
トモエに話して、
どうしてと怒られ泣かせてしまうが
なんとか納得してもらい、
トモエからも東京に行ってこいと
言ってもらう。
最終巻、
シュータローは東京で仕事を頑張るが
仕事は充実してるハズなのに
何だかしっくりこない。
北軽井沢のトモエとニーナは
シュータローにメールせず
また、シュータローもしていない。
その状況に気づいたトモエが
お正月にメールするが
すぐにはシュータローから返事がこない。
実はシュータローは風邪で寝込んでいた。
しかし、元気だと嘘のメールを返す。
ニーナの母は、
ニーナと暮らしたくて会社を辞めて
日本に戻ってきて、
シュータローの部屋に住むようになる。
(ニーナはシュータローの帰る場所が
なくなると言ったが、聞き入れられず。)
ますます覇気がなくなるシュータロー。
ある夜、突然ブワっと気づき
タクシーに乗って北軽井沢へ。
早朝の北軽井沢のキャベツ畑。
そこにトモエはいた。
突然現れたシュータローに驚く。
薄着のシュータローを気にかけるが
今すぐ聞いてほしいと
付き合ってくれという。
涙を流してOKするトモエ。
会社の方は社長がそうなると思ってたと
快く退社を受け入れてくれる。
しかし部屋は姉が使ってるため
トモエの管理するアパートに住んでいる。
そしてシュータローはトモエの畑で働いてる。
ニーナが婿養子に入ったんだもんねというが
まだだと怒られる。
ニーナと自転車で出掛けるシュータロー。
ニーナは日本に来たばかりの夏、
シュータローが相手をしてくたことを感謝し
シュータローはニーナのおかげで
変われたと感謝する。
お互いに同時に
“これからもよろしく” を伝える。
めでたしめでたし。
ここから特別編その1。
ニーナが中学生に。
北軽井沢にいながらモデルの仕事を頑張る。
そして、トモエは妊婦さんに(そろそろ臨月?)
なってて、シュータローとニーナのような
元気な子が生まれるといいねと微笑み合う。
特別編その2。
ニーナが高校生に。
身長が165cmに伸び大人っぽくなる。
東京にオーディションのためにきた様子。
モデルをしながらも声優の夢は諦めてなく
初めてのオーディションへと向かう。
緊張するニーナの手の平には、
みんなに書いてもらった応援の言葉。
それに勇気づけられてオーディションへ挑む。
これで本当のおしまい。
1巻からの予定調和なラストではありますが、
このどのてエピソードを抜かしても
シュータローは納得いく人生にならなかった
だろうと思います。
平和で皆んなが幸せで収まるとこに収まって
良かった良かったです。
私は人との繋がりは縁と運とタイミング
だと思っているのですが、
最初シュータローは東京にいた時は
トモエのことは忘れてるんですよね。
トモエは淡い片想いを残して
色んな人からの告白を断ってるのに。
そしてシュータローが田舎に戻ってきて
トモエは少し期待してるんですよね。
そしてキャベツ畑でバイトを終えて、
農業は凄いなとリスペクトを始めたので
これはもうここに定住する決心をしたのではと
勘違いして自分家の畑で働くことを勧めるけど
シュータローは東京に未練があって
バイト代を元手に東京に出る気なんですよね。
しかし頓挫したことで、
トモエのとこの畑で働いてみようと
思うんですよね。
だから念願の東京での仕事を始めても
トモエと離れたことと
トモエの夢である
キャベツ畑で一緒に働いてくれる旦那がいて
このキャベツ畑の風景を子供に見せたいというトモエの描く幸せと自分の今の生活は
交わることがないと思ってたけど
一番大事なのは
トモエといることと気づけます。
友達の社長さんも、
シュータローに仕事を紹介した1回目は、
田舎暮らしよりも東京という思いが強く
感じたけど、
2回目に自分の会社に誘った時は
充実して田舎暮らしを送ってる感が強く
そんなに東京に出たいわけではないのではと
感じていたようです。
そういう、漫画としては予定調和であっても
その歩みに無駄なことはなく、
色んな出来事があったからこそ
シュータローは田舎暮らしを楽しめるように
なって、トモエのことも大切だと思えるように
なったことが、丁寧に丁寧に描かれてます。
どこも過不足のない物語。
特別編で、ニーナは夢に向かって頑張ってるし
トモエの夢が叶うだろうことがわかって
本当に幸せな気持ちになりました。
最後まで読ませてもらって
本当に ありがとうございました。
最終巻の表紙は中学生ニーナ。
ずっとデコの色味が気になってましたが
アザではなくテカリみたいです。
最初の方にオデコが広いのが
コンプレックスだと言ってたので。
モデルになったぐらいだから
アザなわけがないよね。
デコ広コンプレックスは良しとして
このデコ広強調は無くても良かったんじゃと
思ったり思わなかったり。
描くの大変だったろうから
作者さんのこだわりなんだと思うけど。