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炭市叙景≫ 佐藤 泰志著
内容(「BOOK」データベースより)
海に囲まれた地方都市「海炭市」に生きる「普通のひとびと」たちが織りなす十八の人生。
炭鉱を解雇された青年とその妹、首都から故郷に戻った若夫婦、家庭に問題を抱えるガス店の若社長、あと二年で停年を迎える路面電車運転手、
職業訓練校に通う中年男、競馬にいれこむサラリーマン、妻との不和に悩むプラネタリウム職員、海炭市の別荘に滞在する青年…。季節は冬、春、夏。
北国の雪、風、淡い光、海の匂いと共に淡々と綴られる、ひとびとの悩み、苦しみ、悲しみ、喜び、絶望そして希望。
才能を高く評価されながら自死を遂げた作家の幻の遺作が、待望の文庫化。
芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志氏が話題となったのを知ったのは、去年miyさんから~
今年は没後24年とか…
映画≪海炭市叙景≫を観たくて…上映終了のため、まず原作本を読破、そしたらぁ~DVDが出たので観ました。
原作にほとんど忠実で、一つひとつの話は別々なはずなのに…どこかでつながっている不思議さ。DVDのラストシーンも本を読んで想像した通りで、また泣けた。
続いても、場所は函館、俳優陣が今とっても旬な方々なのでシアターキノは混んでました。席も満席♪waniko初体験(笑)
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≪そこのみにて光り輝く≫ 佐藤 泰志著
内容(「BOOK」データベースより)
北の夏、海辺の街で男はバラックにすむ女に出会った。
二人がひきうけなければならない試練とは―にがさと痛みの彼方に生の輝きをみつめつづけながら生き急いだ作家・佐藤泰志がのこした唯一の長篇小説にして代表作。
青春の夢と残酷を結晶させた伝説的名作が二〇年をへて甦る。
「観光と造船とJRしかない街だ。遅かれ早かれ、職安に人があふれ、パニックじみて来るに違いなかった。しまいには観光客のおこぼれだけが目当てになるだろう」(本文より抜粋)
そんな街に住む主人公達夫は、造船所の労働争議に嫌気がさしてさっさと退職金を手に退職、無為の日々を送っている。
そしてある日パチンコ屋で拓児という若いテキ屋の男と知り合いになる。誘われるまま、この街の近代化から取り残された彼の自宅であるバラック小屋に連れて行かれる。
そこでの拓次の姉千夏との運命的な出会いから話は動き始めていく。
映画では、達夫は発破の仕事中に可愛がっていた後輩の事故死で仕事から逃げている男でした。綾野剛さんはついこの間、「白雪姫殺人事件」でダメダメのディレクター。
そして、この度は傷ついてボロボロの一人の男。この達夫がすごくナイーブで、グタグタなんだけど愛に一途。すごく哀愁漂う表情が良かった!
千夏役の池脇千鶴さんも、「神様のカルテⅡ」でしっかり者の看護師役~こちらもぴったりハマっていたけど、愛を諦めた女性~あの荒んだ…けど物悲しそうな目が良かったなぁ~
映画の中で、千夏がスイカを達夫に切りながら鼻歌歌うんです。その歌は、元気だったお父さんと一緒に魚の行商をしていた時に口ずさんでいた歌って…
お父さんと帰りの車の中で違う味のアイスクリームを2つ買って、半分食べてから取替えっこ~そんな小さく下りが…後半の千夏の秘密に達夫が遭遇する時に、あ~そうなんだって…
そして、拓児(菅田将暉)が人を刺した理由…なんだ!かんだと言って姉ちゃん大スキ!なんです。交番に行く前のセリフが~胸に染みる…
函館をいう町を知っていて、漁村を知っていると感銘度が半端ないと思います。内容も暗いけど、画面も微妙に暗い(ーー;) 函館に住む方々に反感もたれるかもしれないけれど、
ちょっと暗い町ですよね。。。。そうそう、GLAYの出身地ですよ!しかし「海炭市叙景」よりは、ずっと画面も明るく最後のシーンの太陽がすごくきれいでした!
そして、映画を観てから 数ヵ月ようやく図書館からやって来ました。本では、前半、後半って感じで書かれています。映画はそれの順序だったり、構成を変えていましたがそんなに
気にならないな!って本を読みながら思いました。いつもですと、映画のキャストが会話するイメージで読んでしまうのですが…今回はこれらの目の表情だけが浮かび、風景が重なる。
ちょっといつもと違う読書となりました。「海炭市叙景」もそうだったなぁ~原作者佐藤さんの風景の書き方と実際の風景がすごく、ピッタリと重なり合う。
そして、カラーのはずなのにモノクロに写る。。。。俳優陣の目がいいんですよねぇ~どちらのお話も、「それでも、生きていくしかない!」そんな気分になる本&映画でした。