青色LED開発に多大な功績の有った、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3氏が、この度ノーベル物理学賞を受賞した。マスコミ各社が3氏を賞賛したうえで、ものづくりに対する日本の姿勢が評価されたと報じている。
今回の受賞対象となった青色LEDは、まさに自分の仕事の分野につき、一言書き留めておきたい。
今から8年位前に、受賞者の一人・中村修二氏の講演を聴く機会に恵まれた。内容は、青色LEDに関わる自分の生い立ちと、青色LED開発を通じた日本とUSAの文化・意識の違いだった。そこで語られたのは、一言で言うと、日本の会社においてエンジニアがいかに冷遇されているか、USAにおいてエンジニアがいかに優遇され、恵まれた環境にあるか。=USAでは、優秀なエンジニアには、自然に投資が集まる仕組みが出来上がっている。
マスコミは、今回の受賞を通じて、日本の基礎研究はまだまだ捨てたもんじゃないぞ、これに続く日本発の大発明が出現することを大いに期待したい、といった論調だが、今後同じような大発明が日本発で出現するかというと、個人的には懐疑的ですな。
中村氏の講演の最後のくだりが印象的。「優秀なエンジニアは、日本を捨ててアメリカにいらっしゃい。」!