2024年1月20日(土)午後5時30分から、三金会(ミニセミナー)が「有隣堂が目指す書店の未来」をテーマに進交会館にて開催された。講師は株式会社有隣堂代表取締役社長の松信健太郎氏(1995教育)で、2007年に入社し2020年より第7代社長を務めている。
講義内容要約
紙媒体の出版市場は雑誌の拡大とともに売り上げを伸ばしてきたが、インターネット・スマホ・ゲームの登場により、1996年以降右肩下がりになり現状はピーク時の約半分になった。電子書籍市場は順調にシェアを伸ばし、全国の書店数は減る一方となった。大手出版社は雑誌・書籍ではなく、デジタルコンテンツで売り上げを伸ばしている。
国際比較で日本の子供たちの学力は低下しているが、低下を食い止めるために、「本の役割」は大きな力となる。子供への虐待をなくし不幸な事件を防ぐためにも親世代が本を読むことを勧めたい。書店の継続はなんとしても必要である。
そのために有隣堂は新たな価値創造に挑んでいる。書籍を売ってきた信用力で書籍以外の「モノ・コト・トキ」を売っていく。書籍以外の「モノ・コト・トキ」の力を借りて書籍を売り続けていく。その象徴的店舗が、東京ミッドタウン日比谷の「HIBIYA CENTAL MARKET」であり、COREDO室町テラスの「誠品生活日本橋」である。新たな価値創造と様々なイベントやSNSの活用により有隣堂のファンを増やし、「どうせ本を買うなら有隣堂で買おう」と思ってもらいたい。
書店の活性化という難しい課題に社を挙げて取り組む姿勢をわかりやすく解説していただき、出席者は認識を新たにした。なお当日のゲストとして、早大出版部の小板橋部長と武田氏が出席された。
文責 新堀誠 写真 稲葉昌史 記 仁井淳二
講師 ㈱有隣堂代表取締役社長 松信健太郎様
東島会長挨拶
熱心に聞き入る会場出席者
早稲田大学出版部 小板橋部長挨拶
初参加者 松原さん挨拶
鴻谷前会長挨拶